CINEMA NEKO(シネマネコ)

“映画の街”青梅に約50年ぶりに映画館「シネマネコ」が誕生。6月4日(金)のオープンに先駆け、6月1日(火)に開催されたオープニングレセプションに映画ランドNEWS編集部が取材に伺った。発起人である菊池康弘さん(シネマネコ/株式会社チャス 代表取締役)へのインタビューとともに、シネマネコの魅力を紹介する(取材・文:小宮駿貴)。

“映画の街”青梅に再び映画館を──

CINEMA NEKO(シネマネコ)チケット/ショップ窓口

かつては3館の映画館をはじめ、往年の名作映画の看板が街のいたるところを彩り、“映画の街”として人気を博していた東京都・青梅市。その賑わいを取り戻し、再び青梅をエンターテイメントの力で笑顔あふれる街にしようと、発起人・菊池康弘さんのもとミニシアター「シネマネコ」が6月4日(金)にオープンを迎える。

CINEMA NEKO(シネマネコ)併設カフェ

都内唯一の木造建築映画館として多くの人々を迎えるシネマネコ。その佇まいは鮮やかな外観をはじめ、内装の天井・壁面には木々それぞれの個性豊かな表情が感じ取れる爽やかなスペースだった。1スクリーン63席で、DOLBY surroundの音響システムを取り入れた最新設備で映画を楽しめるほか、併設されたカフェでゆったりと過ごすこともできる。ショップではTシャツやトートバッグなどオリジナルグッズの販売もある。

「“個性がないのが個性”」新しいミニシアターの形

菊池康弘さん(シネマネコ/株式会社チャス 代表取締役)

なぜ青梅に映画館を作ろうと思ったのか。菊池さんは「ストーリーを何より大事にしています。かつて“映画の街”として栄えていた歴史のある青梅、文化財として登録された織物の木造建築物がある青梅。映画館と木造建築の雰囲気が非常にマッチしていると思い、この場所に映画館を作ること決めました。何もストーリーのないところに映画館を作っても意味がない。この場所に木造建築の映画館を作れば、きっと地域の方々が喜んでくれるに違いないと確信があったんです」と明かす。「シネマネコ」の名前の由来にも、養蚕や織物産業が栄えた時代にネズミ退治のため“猫”を大切にしてきた青梅という地域のストーリーがあった。

CINEMA NEKO(シネマネコ)スクリーン内

シネマネコはどのようなミニシアターとして今後発展していくのか。2本立ての特集上映を中心とした劇場やインディーズ作品を主なラインナップとする劇場など、“個性”あふれるミニシアターが多い。菊池さんは「“個性がないのが個性”と言いますか。アート系やドキュメンタリー、シネフィル作品など、映画にはいろいろなジャンルがあると思います。ジャンルが偏ってしまうと、ここ青梅で映画館を発展させていく上で何か足りないと思うんです。なので幅広い層に向けた番組編成を考えています。名画座で上映されるような作品から最近話題の作品も上映したい。いろいろな世代の方々が気軽に来て『この映画館、いつも面白い映画やってるよね』と思ってもらえるようなミニシアターにしていきたい。もちろん映画祭のようなイベントであったり、近くに学校があるので映画作りなどのワークショップなども開催していきたいですね」と教えてくれた。

地域の方々に愛されるミニシアター「シネマネコ」

CINEMA NEKO(シネマネコ)ロビー

「幅広い層の方々の生活のサイクルに合った番組編成」を心がけていくという菊池さん。「平日の午前中に若い方々が好きそうな作品を上映しても意味がない。夜に昔の映画を上映しても若い方々は訪れることはあまりない。地域の方々の行動と生活リズムに合った映画をチョイスして、“日常に溶け込む”ミニシアターを目指したい」と話す。

CINEMA NEKO(シネマネコ)

番組編成の参考に地域の方々に観たい作品テイストのアンケートを募ったり、カフェメニューには地元商店街のパン屋さんの手作りパンを使用したフレンチトースト、地元のケーキ屋さんとコラボレーションしたオリジナルケーキもある。クラウドファンディングで集まった500万円以上の支援金、オープン前にもかかわらずフォロワー数1,000超の公式Twitter、街のいたるところにシネマネコ誕生記念ポスターがあったりと、地域の方々に寄り添った映画館であり、地域の方々に愛される・愛されていくミニシアターであると強く感じられた。

CINEMA NEKO(シネマネコ)

東京都青梅市西分町3丁目123 青梅織物工業協同組合敷地内
HP:https://cinema-neko.com/
E-mail:info@cinema-neko.com
Tel:0428-84-2636

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