取材に応じるイニエスタ。ACLに向けた意気込みを語った。(C)VISSEL KOBE

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 ヴィッセル神戸のアンドレス・イニエスタが12月1日、オンラインを通じて複数メディアの取材に応じた。

 現在はカタールで集中開催されているACLに参加中。クラブが掲げる「アジアナンバーワン」という目標に向けてタフな戦いに挑んでいる。

 再開初戦(グループステージ3節・広州恒大戦)で勝利した神戸は、4節の広州恒大との2戦目で敗れたものの現在グループGで首位。広州恒大と水原三星三つ巴の争いをリードしている(同グループだったジョホールは参加辞退)。カタールに発つ前は国内リーグ戦で5連敗と絶不調だったものの、見事に立て直してみせた。

 イニエスタはチームが息を吹き返した理由を語る。

「まずなにより(再開初戦で)最初の勝利を掴めたこと。チームが落ち着いたことを考えても、非常に重要な勝利だったと思います。これでチームの雰囲気は変わりました。特にメンタリティの部分。やはりACLという新たな大会となり、明確な目標をもって戦えているのが大きいのかもしれません。Jリーグでは上位に食い込むのが難しい状況にあったので、やはりどうしても意識レベルでそれが影響してしまったのだと思います。その点、今は新たな大会でリフレッシュした状態で戦えている。そのいい流れを目の前の試合でもキープしたいです」
 
 イニエスタ自身、ACLを通じて、アジアのレベルをどう感じているのか。

「ひとつはっきりしていることは、100パーセントでプレーしないとやられるということ。それは国は関係なく、中国、韓国、タイなどどの国が相手でも、やっぱり100パーセントで挑まないと簡単に勝てる試合はない。そのために自分たちは常に100パーセントを出して戦わないといけない。世界のサッカーのレベルの差は縮んできていると思う。アジアのレベルはどんどん上がってきていると思います。Jリーグのレベルの高さや、チーム同士の拮抗した競争に関しては話をしてきましたが、Jリーグがアジアのなかでよりレベルの高いものかではなく、常にベストを尽くして、誰とやる時でも100パーセントで戦わなければいけないという意識は持ち続けなければいけないなと思います」

 常に100パーセントで戦う覚悟を口にするイニエスタだが、心配なのが連戦での疲労だ。次戦の12月4日水原三星戦から準決勝まで4試合を中2日でこなすスケジュールだ。百戦錬磨のイニエスタといえども、今年で36歳とあって、コンディション調整は大きな課題となる。

「もちろん可能な限りプレーしたい気持ちはあります。スケジュールがきついのは間違いないですけど、今シーズンは特に自分個人のコンディションは良いです。シーズンのなかで連戦は何度もこなしてきましたし、もし勝ち進んでいけば、プレーできる試合はプレーしたい。もちろんそのためのケア、練習と、その準備はするつもりです」

 そう意気込むイニエスタの活躍が躍進のポイントなのは間違いない。戦術の軸でもあるMFにかかる期待は大きい。

構成●サッカーダイジェスト編集部