(株)ダーバン宮崎ソーイング(TDB企業コード:880088987、資本金5000万円、宮崎県日南市北郷町郷之原字南上床乙3663、代表山川智彦氏)は、6月5日に東京地裁へ民事再生法の適用を申請し、同日民事再生手続き開始決定を受けていたが、8月31日に東京地裁より再生手続き廃止決定を受け同日、包括的禁止命令が出された。今後、破産手続きに移行する予定。

 管財人は永沢徹弁護士(東京都中央区日本橋3-3-4、永沢総合法律事務所、電話03-3273-1800)。

 当社は、1974年(昭和49年)2月に紳士服縫製業を目的として、東証1部上場の大手紳士服ブランドである(株)レナウン(旧(株)ダーバン)が100%出資し、宮崎県と日南市北郷町(旧:南那珂郡北郷町)の企業誘致より設立された。レナウン向けに「DURBAN(ダーバン)」ブランドの高品質紳士用スーツやジャケット等の製造を行っていた。

 しかし、アパレル市場全体の停滞感から店頭販売、特に単価の高い冬物のコート類の販売が振るわなかったことに加え、主力のDURBANや他のメンズブランドも売り上げが伸び悩んでいた。近時も新型コロナウイルスの感染拡大の影響によってさらに受注が減少し、苦戦を強いられていた。5月15日には、親会社であるレナウンが東京地裁より民事再生手続き開始決定を受けたことで、レナウンに対する債権の回収が行えない状況のなか、資金の調達や経費削減に注力していたものの、債務の支払いの目処が立たないことから、自主再建を断念し、同地裁へ民事再生法の適用を申請していた。

 スポンサーの選定を模索するなか、同社の下請会社3社に工場の不動産や設備などを譲渡することで合意していたものの、譲渡価格内で再生計画案を作成することができず、破産手続きに移行することになった。

 負債は民事再生の申し立て時点で約4億7000万円。

 なお、同社の工場等を引き継ぐ下請3社は(株)ファミリーソーイング(日南市北郷町)、(有)日南ファミリーソーイング(日南市下方)、(株)日南トローザーソーイング(日南市北郷町)。