(株)abasaku(TDB企業コード:374018231、資本金1億4674万8750円、東京都港区六本木3-4-33、代表中野一誠氏)は、8月5日に東京地裁より破産手続き開始決定を受けた。
 
 破産管財人は深瀬仁志弁護士(東京都千代田区丸の内2-4-1、卓照綜合法律事務所、電話03-3214-5551)。債権届け出期間は9月2日まで。

 当社は、2016年(平成28年)4月に設立。当社代表の中野氏はお笑い芸人として活動した後、広告業界に転向。同氏の経験と人脈を生かし、タレントキャスティング事業および無料動画メディア『Flick!On!TV』の運営を手がけていた。タレントキャスティング事業では、得意先となる広告主および広告代理店が要望するイメージや広告内容・目的に応じた有名アスリートやアーティスト、タレント、芸人などを所属する芸能事務所や企業に依頼してキャスティングしていた。また、『Flick!On!TV』では、芸人や新人アイドルなどを起用した無料オリジナル番組を制作して、専用アプリやWebサイトで配信。視聴者は基本無料で利用可能で、番組途中に広告を配信して、広告主や広告代理店から収入を得ていた。同番組は、次回作を制作するか否かは視聴者から投じられる仮想ポイント「フリックポイント」が一定数を満たした場合のみ制作することとなっており、ファンの見たい番組をつくるメディアとして知られ、番組本数が増加した2018年12月期には年収入高約3億5400万円を計上していた。

 しかし、昨年発生したお笑い芸人による闇営業問題を機に、得意先であった広告スポンサーが相次いで離反する事態が発生。以降は、事業計画に大幅な変更を余儀なくされたことで、取引先に対する支払いが遅れるなど急速に資金繰りが悪化していた。こうしたなか、先行きも見通せないことから、今年3月頃までには実質的に事業を停止し、今回の措置となった。

 負債は債権者約100名に対し約4億円。