「EOS Kiss X10i」実写レビュー キットレンズでもキレのよい描写に満足
キヤノンのレンズ交換式カメラの代名詞ともいえるEOS Kissシリーズ。その最新モデルがこの「EOS Kiss X10i」となります。機能的にも性能的にもエントリーモデルの域を超え、豊富なEFレンズによる多彩な表現が楽しめるカメラです。前回の「EOS Kiss X10i 上位機種のお株を奪う装備&機能」に続き、今回は実写画像でEOS Kiss X10iの実力をチェックしたいと思います。
中級機譲りの充実したスペック
まずは、EOS Kiss X10iの特徴を少しだけおさらいをしましょう。
イメージセンサーは、有効2410万画素のAPS-C型CMOSセンサーを搭載しています。これは、先代モデル「EOS Kiss X9i」やミラーレスの「EOS Kiss M」などと基本的には同じものと考えられます。多くのカメラに採用された実績がある、ということは高い次元で安定した性能を持つ証といえます。
画像処理エンジンは、最新の「DIGIC 8」を採用。コマ速が先代の6コマ/秒から7コマ/秒にアップするなど、スペックの向上に寄与しています。色のにじみなどを抑える色収差補正や、絞り込んだときに発生する解像感の低下を抑える回折補正を撮影した画像に施すデジタルレンズオプティマイザの搭載、高感度域のノイズレベルのさらなる低減も、この映像エンジンによるものです。
EOS Kiss X10iの感度域はISO100〜25600で、拡張による感度域の拡大はできません。作例を見ても、ISO3200まではノイズがよく抑えられています。ISO6400になるとノイズが目立ちはじめますが、ISO12800までなら十分に使えるレベルといえます
オートフォーカスは、ファインダー撮影時が45点全点クロスセンサーになり、ファインダー用のAFとしては珍しい顔認識AFも搭載しています。合焦スピードは、このクラスでは文句の付けどころがなく、ワンショットAF(=シングルAF)でもAIサーボ AF(=コンティニュアスAF)でも速やかにピントを合わせます。AIサーボ AFは、動体の捕捉性能も不足を感じないものです。
ライブビューは、コントラストAFと位相差AFを組み合わせたデュアルピクセルCMOS AFを採用。このAFは、EOS Kiss Mをはじめとするミラーレスでも採用しており、AFスピードはファインダー撮影時のAFと遜色ない仕上がりです。ライブビューで手軽に撮りつつ、光学式ファインダーをのぞいて被写体としっかり対峙して撮りたい、と思うわがままな写真愛好家も満足できるでしょう。
キットレンズでもキレのよい描写が楽しめる
画質については、階調再現性、解像感、オートホワイトバランスの精度、高感度域のノイズレベルなど、どれをとってもAPS-C一眼レフとして不足はなく、キヤノンらしいスキのない絵づくりといえます。掲載した作例では、撮影モードは絞り優先AEながら、オートホワイトバランス(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、ISOオート、オートライティングオプティマイザー:標準と、想定されるユーザーの使い方を意識した設定で撮影していますが、いずれも満足できる結果となりました。
特に、解像感の高さと広いダイナミックレンジは上位モデルに匹敵。イメージセンサーはローパスフィルターレスではありませんが、キレのよい写りからその必要性はまったく感じないほどです。作例はJPEGフォーマットで、後処理のないいわゆる“撮って出し”の画像ですが、RAWフォーマットなら階調再現性などはより向上するはずです。
一眼レフの楽しさと進化が味わえる佳作
本来、写りはレンズの描写特性が大きく影響しますが、今回レンズキットとして付属する標準ズームレンズ「EF-S18-55mm f/4-5.6 IS STM」と望遠ズームレンズ「EF-S55-250mm f/4-5.6 IS STM」は、かなり満足できる結果が得られました。グレードの高いレンズを使えば、一層見応えのある画像をもたらしてくれるでしょう。
個人的には、ミラーレスのEOS Kiss Mの登場で、一眼レフのKissは新機種がもう登場しないかもしれない…と思っていましたので、EOS Kiss X10iの登場はうれしい誤算となりました。むしろ、実際にあれこれ使ってみると、一眼レフの優位性はまだまだ失われていないように思えるばかりか、 一眼レフだから撮影が楽しいと思えることも多く、今後も一眼レフのKissは定番として存在するだろうと強く確信しました。クリアな見え具合の光学ファインダー、動くものに強いAF、手軽に楽しめるライブビュー機能など、欲張りな写真愛好家でさえも満足できるカメラだと感じます。
まずは、EOS Kiss X10iの特徴を少しだけおさらいをしましょう。
イメージセンサーは、有効2410万画素のAPS-C型CMOSセンサーを搭載しています。これは、先代モデル「EOS Kiss X9i」やミラーレスの「EOS Kiss M」などと基本的には同じものと考えられます。多くのカメラに採用された実績がある、ということは高い次元で安定した性能を持つ証といえます。
画像処理エンジンは、最新の「DIGIC 8」を採用。コマ速が先代の6コマ/秒から7コマ/秒にアップするなど、スペックの向上に寄与しています。色のにじみなどを抑える色収差補正や、絞り込んだときに発生する解像感の低下を抑える回折補正を撮影した画像に施すデジタルレンズオプティマイザの搭載、高感度域のノイズレベルのさらなる低減も、この映像エンジンによるものです。
EOS Kiss X10iの感度域はISO100〜25600で、拡張による感度域の拡大はできません。作例を見ても、ISO3200まではノイズがよく抑えられています。ISO6400になるとノイズが目立ちはじめますが、ISO12800までなら十分に使えるレベルといえます
オートフォーカスは、ファインダー撮影時が45点全点クロスセンサーになり、ファインダー用のAFとしては珍しい顔認識AFも搭載しています。合焦スピードは、このクラスでは文句の付けどころがなく、ワンショットAF(=シングルAF)でもAIサーボ AF(=コンティニュアスAF)でも速やかにピントを合わせます。AIサーボ AFは、動体の捕捉性能も不足を感じないものです。
ライブビューは、コントラストAFと位相差AFを組み合わせたデュアルピクセルCMOS AFを採用。このAFは、EOS Kiss Mをはじめとするミラーレスでも採用しており、AFスピードはファインダー撮影時のAFと遜色ない仕上がりです。ライブビューで手軽に撮りつつ、光学式ファインダーをのぞいて被写体としっかり対峙して撮りたい、と思うわがままな写真愛好家も満足できるでしょう。
キットレンズでもキレのよい描写が楽しめる
画質については、階調再現性、解像感、オートホワイトバランスの精度、高感度域のノイズレベルなど、どれをとってもAPS-C一眼レフとして不足はなく、キヤノンらしいスキのない絵づくりといえます。掲載した作例では、撮影モードは絞り優先AEながら、オートホワイトバランス(雰囲気優先)、ピクチャースタイル:オート、ISOオート、オートライティングオプティマイザー:標準と、想定されるユーザーの使い方を意識した設定で撮影していますが、いずれも満足できる結果となりました。
特に、解像感の高さと広いダイナミックレンジは上位モデルに匹敵。イメージセンサーはローパスフィルターレスではありませんが、キレのよい写りからその必要性はまったく感じないほどです。作例はJPEGフォーマットで、後処理のないいわゆる“撮って出し”の画像ですが、RAWフォーマットなら階調再現性などはより向上するはずです。
一眼レフの楽しさと進化が味わえる佳作
本来、写りはレンズの描写特性が大きく影響しますが、今回レンズキットとして付属する標準ズームレンズ「EF-S18-55mm f/4-5.6 IS STM」と望遠ズームレンズ「EF-S55-250mm f/4-5.6 IS STM」は、かなり満足できる結果が得られました。グレードの高いレンズを使えば、一層見応えのある画像をもたらしてくれるでしょう。
個人的には、ミラーレスのEOS Kiss Mの登場で、一眼レフのKissは新機種がもう登場しないかもしれない…と思っていましたので、EOS Kiss X10iの登場はうれしい誤算となりました。むしろ、実際にあれこれ使ってみると、一眼レフの優位性はまだまだ失われていないように思えるばかりか、 一眼レフだから撮影が楽しいと思えることも多く、今後も一眼レフのKissは定番として存在するだろうと強く確信しました。クリアな見え具合の光学ファインダー、動くものに強いAF、手軽に楽しめるライブビュー機能など、欲張りな写真愛好家でさえも満足できるカメラだと感じます。