三浦宏規 撮影/森田晃博

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 ミュージカル『テニスの王子様』、ミュージカル『刀剣乱舞』などの2.5次元舞台で人気を集め、昨年はミュージカル『レ・ミゼラブル』のマリウス役に抜擢。今もっとも期待される若手ミュージカル俳優のひとりである三浦宏規さん。6月上演のミュージカル『ヘアスプレー』では、渡辺直美演じる主人公トレイシーが憧れるスターダンサーのリンク役で出演する。バレエダンサー出身の三浦さんにぴったりのハマリ役に、期待が高まる。

【写真】少年っぽさの中にあるセクシー・三浦宏規

憧れのリンク役に決まった感想は

「以前、映画を見てから『ヘアスプレー』は大好きな作品で、しかも憧れていたリンク役。なので、初の日本人キャスト版の公演に出演させていただけることが決まったときは、すごくうれしかったですね」

 今作は、'60年代のアメリカ・ボルティモアを舞台に、いつも前向きにキラキラと生きているダンス大好きなビッグサイズの女の子トレイシーが、人気テレビダンス番組のダンサーになることを目指して奮闘する物語。

「ポップで楽しくて、見ると笑顔になれる作品ですし、楽曲も覚えやすくて耳に残るキャッチーなメロディーばかり。でも、ただ楽しいだけの作品でもなくて、根底には人種や体形などの差別問題もテーマとしているので、考えさせられる部分もあって。どんな人にも通ずるところがあるから、世界中で愛されてるんだなと思います」

 ヒロインのトレイシー役で、ミュージカル初主演の渡辺直美とは初共演。

「前向きで明るいトレイシーは、直美さんにぴったりだなと思います。昨年の12月『2019FNS歌謡祭』に出演して、『ヘアスプレー』のキャストのみなさんと『You Can't Stop the Beat』という曲でパフォーマンスしたときも、リハーサルから場を盛り上げてくださって。すごくハッピーなオーラを持っている方なんだなというのは感じました」

 トレイシーが目指すダンス番組のスターダンサー、リンクの役作りについては─。

「スターダンサーって照れますけど、ちょっといい響きですよね(笑)。僕のやっているバレエとは違うスタイルですけど、ダンスは好きなので頑張りたいです。あとは、リンクはカリスマ的な存在なので、登場しただけでインパクトがないといけないんですね。

 でも、今回のキャストは直美さんはじめ、山口祐一郎さん、Crystal Kayさん……みなさん、すごい存在感のある方ばかりなので、その存在感に負けないようにリンクとして見せることができるのか、考えて演じなければと思ってます。今は、とにかく楽しみでしかたないです。稽古場ではみなさんから学ばせてもらいながら、少しずつ距離も縮められたらいいなと思います」

三浦の休日の過ごし方とは

 昨年、『レ・ミゼラブル』で帝国劇場の舞台に立ち、今年3月には『リトル・ショップ・オブ・ホラーズ』に主演。そして『ヘアスプレー』出演とミュージカルスター街道を走る三浦さん。大舞台を経験して得たことは?

「実力以上のことを求められることが多いので、恥ずかしい思いもしましたし、大変なこともありますけど、やらせていただくことで度胸はついているんじゃないかなと思います。『テニミュ』に出始めたころは、歌に苦手意識がありましたけど、いろいろな作品をやらせてもらって、少しずつ歌のスキルが身についてくると、歌う楽しさもわかってきました。よりミュージカルが好きになってます。もちろん実力はまだまだですけど」

 舞台本番に稽古にと多忙な毎日。心身をリフレッシュするためにしていることを聞くと、

「最近、走り始めました。『リトル・ショップ』でご一緒した鈴木拡樹さんが、幼少からずっとほぼ毎日走っているという話を聞いて、それをちょっと見習って(笑)。だいたい5〜7キロ走るんですけど、走るための筋肉が退化しすぎていて、まず、1キロでゼーハーして、それから靴ずれして、股関節が痛くなってきて、翌朝起きるとひざの関節が痛いっていう。“俺、21なんやけどな”って思いながら(笑)、改めて拡樹さんを尊敬しました」

 休日はインドアで過ごすという三浦さん。

「オフになると、部屋を隅々まで掃除してます(笑)。掃除が好きなわけではないけど、部屋がキレイじゃないと落ち着かないし眠れないんです。だから舞台の本番があってもほぼ毎日、掃除機はかけます。オフの日だと、まずガラスクリーナーで窓を磨いて、フローリングワイパーで床を掃除して、排水口をキレイにして、トイレ掃除をして……みたいな感じですね。

 でも、親友でもある俳優の井阪郁巳くんを家に呼んだら、キレイすぎて落ち着かないって言われました(笑)。そもそも僕の部屋は、いたってシンプルで最小限のものしか置いてないっていうのもあるんですけど」

 舞台で輝きを放つ21歳の今後の目標は?

「映像の仕事はまだ経験がないので、チャンスがあればチャレンジはしたいですけど、今は舞台が好きなので続けていきたいです。でも、あまり明確な目標みたいなものはいつも立てていませんね。バレエダンサーをやっていたころ、『レ・ミゼ』の舞台に立つとは思ってもいなかったので、こういう人生も面白いなって思うんです」

ミュージカル『ヘアスプレー』
1960年代のアメリカ・ボルティモアを舞台に、明るくパワフルなビッグサイズの女の子トレイシー(渡辺直美)が、テレビのダンス番組出演を目指して奮闘。華やかで踊りだしたくなる音楽に彩られた元気をもらえるミュージカル。東京公演:6月14日〜28日@東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)/大阪公演:7月5日〜13日@梅田芸術劇場メインホール
【公式サイト】www.tohostage.com/hairspray/

PROFILE
みうら・ひろき●1999年3月24日、三重県出身。バレエダンサーを経て、2016年に舞台で俳優デビュー。主な出演作は、ミュージカル『テニスの王子様』、ミュージカル『刀剣乱舞』、ミュージカル『レ・ミゼラブル』など。今後は、『Nostalgic Wonderland♪ song & dance show−2020−』(8月5日〜10日)、ミュージカル『刀剣乱舞』髭切膝丸 双騎出陣2020〜SOGA〜(兵庫:8月29日〜9月6日/東京:9月27日〜10月11日)出演。

(取材・文/井ノ口裕子)