中華料理メニューの中でも、幅広い世代に人気のシュウマイ。ただ自分で作るとなると、具を包んで、蒸し器で蒸して……とちょっと面倒。家庭で気軽に食べるなら、冷凍シュウマイが便利だ。電子レンジで温めるだけで中華料理店さながらの本格的な美味しさを楽しめる。

今回そろえた3社の商品はこちら!(左)味の素冷凍食品「ザ★シュウマイ」、(右上)マルハニチロ「五目シュウマイ〜香りと旨み〜」、(右下)ニッポンハム「中華の鉄人 陳建一 国産豚の四川焼売」


今回は大手メーカーの冷凍シュウマイの中から、肉をメインにした3商品を食べ比べてみた。いずれも電子レンジでの調理に加えて、蒸し器での調理もできる商品だったが、今回は利便性を重視してすべて電子レンジで調理。加熱時間は約40秒〜約1分(500Wで1個の場合)。どれもパサつきなどは気にならず、しっとり仕上がった。

○味の素冷凍食品「ザ★シュウマイ」

味の素冷凍食品「ザ★シュウマイ」。(400円前後/9個入り/1個32g)


まずは2016年12月に発売された味の素冷凍食品の「ザ★シュウマイ」。日経POS情報(全国のスーパーやコンビニなどから収集した実売データ)による「日経POS セレクション2019売上No.1」(冷凍シューマイカテゴリー)を獲得している人気商品だ。

白や赤が多い冷凍シュウマイのパッケージの中で、黒地に金色のパッケージが目立つ。縦長の形状に加え、中のトレーが黒というのも珍しい。

たまねぎやタケノコなど野菜もたっぷり


一口かむと、肉汁がじわり。かたいのではなく、ぎっしり詰まった肉の歯ごたえがあり、旨みもしっかり感じられる。葱油やXO醤で香ばしさがプラスされており、思わずごはんが欲しくなる味付けだ。1個のサイズが大ぶりなので食べごたえがあり、大きめにカットされたタケノコの食感も小気味いいアクセントになっている。お好みで醤油やカラシをつければ、さらにパンチのある味わいに。

味の素冷凍食品では、男性の食欲をしっかり満たす主食とごはんがガツガツすすむ主菜を「ザ★」シリーズとしてブランド化しており、シュウマイ以外にチャーハンも展開している。「弁当のおかず中心だった従来の冷凍シュウマイ市場において、ごはんに合う食卓おかずとしての独自ポジショニングを開拓し、シュウマイ市場全体をけん引してきました」と味の素冷凍食品 国内統括事業部製品戦略部の朴泰洪さん。

男性好みの味わいとサイズ感。もちろん女性や子どもの舌にもなじむ味で、売上No.1というのも納得だ。

【味の素冷凍食品「ザ★シュウマイ」のポイント】

・日経POSセレクション2019年売上NO.1 (冷凍シューマイカテゴリー)

・ごろっとした食感のジューシーな肉

・ガツガツごはんがすすむパンチのある味わい

○マルハニチロ「五目シュウマイ〜香りと旨み〜」

マルハニチロ「五目シュウマイ〜香りと旨み〜」(350円前後/12個入り/1個24g)


続いては、マルハニチロが2020年3月に発売した新商品「五目シュウマイ〜香りと旨み〜」。“家庭で味わえる本格中華”をコンセプトにした「新中華街」シリーズのひとつで、東京赤坂の中華の名店「赤坂璃宮」の譚彦彬オーナーシェフが監修している。

具材たっぷりでいろいろな食感を楽しめる


皮から肉がはみ出ており、手作り感のある見た目が食欲を誘う。肉は脂っぽさが控えめで、そのぶん肉の旨みが強く感じられる。豚肉や鶏肉に加えて、タケノコ、たまねぎ、しいたけなどいろいろな具材が使われており、特に千切りしょうがが食感や味のアクセントになっている。基本的にあっさり薄味だが、複雑な旨みが後を引く。

マルハニチロ市販用冷凍食品部の長岡美月さんが「いくつ食べても食べ飽きない、共働きご家族の食卓のおかずとして、特に女性に手に取ってもらいたいという思いで開発しました」というように、あとひとつ、またひとつ、とつい箸が伸びてしまう味。味付けは、鶏がらスープをミスト状にして外がけし、さらに具材にはホタテの海鮮スープを練り込み、温めたあとに旨みが溶け出すWスープ仕立てになっているそうだ。

食べやすい適度な大きさで、子どもから大人まで幅広い年齢層が好むやさしい味わいなので、食卓のおかずからお弁当まで、活用の幅が広そうだ。

【マルハニチロ「五目シュウマイ〜香りと旨み〜」のポイント】

・鶏がらスープと海鮮スープのWスープ仕立て

・塩分控えめで食べ飽きないやさしい味

・食べやすい適度な大きさ

○ニッポンハム「中華の鉄人 陳建一 国産豚の四川焼売」

ニッポンハム「中華の鉄人 陳建一 国産豚の四川焼売」(200円前後/6個入り/1個35g)


続いては、ニッポンハムの「中華の鉄人 陳建一 国産豚の四川焼売」。1997年発売のロングセラー商品なので、一度は食べたことがある人もいるだろう。中華の鉄人として知られる陳建一氏の監修で、パッケージには写真もプリントされており、味への期待も高まる。

ふんわりもっちり。冷めてからも肉はやわらか


まず見た目で驚いたのは皮の薄さ。肉が透けて見えるほどだ。食べてみると、ふんわりもっちりとした独特の食感にもビックリ。かみごたえのある一般的なシュウマイとは違うやわらかな肉の食感は、一度味わうとクセになる。皮が薄いぶん、肉の旨みをより濃く感じられ、たまねぎのほどよい甘みとのバランスもいい。今回食べ比べた3商品の中では最もサイズが大きく食べごたえもあるが、やわらかいので食べやすい。大きさを考えると割安感もある。

ちなみに当時の開発担当者によれば、開発で一番苦労したのは皮だという。味付けは陳建一氏特製の「美味湯」。豚肉・鶏肉・野菜の旨みを凝縮し、香味油で風味豊かに仕上げた特製中華スープの素で、しっかりした味付けなので醤油なしで十分美味しい。

もともと同社では、陳建一氏プロデュースのギフト商品を販売していたことをきっかけに、冷凍食品の共同開発がスタート。現在、中華の鉄人 陳 建一シリーズとしてはほかに海老蒸し餃子、小籠包、甘酢肉団子がある。レストランに行かずとも、名シェフの味を気軽に楽しめるのは、忙しい日々の中のちょっとした贅沢だ。

【ニッポンハム「中華の鉄人 陳建一 国産豚の四川焼売」のポイント】

・中華の鉄人 陳 建一氏が監修

・うす皮でふっくら、やわらかな食感

・1個35gの大きめサイズ

20年以上のロングセラーからこの春の新商品まで、見た目や味わいも多彩な冷凍シュウマイ。ごはんのおかずにも、ときにはビールのつまみにもなる。1個から気軽に食べられるので、お腹の空き具合や食べる時間によって調節もできるのも便利なところ。冷凍庫の常備品に加えてみてはいかがだろうか。

※価格は特記がない限り税別。編集部調べ