陥落ワイルダー、陣営のタオル投入に不満爆発 劣勢も「想定内のケースだった」と主張
自身のトレーナーが敵陣営に惑わされたと主張「タオルを投げろと叫んでいた」
ボクシングのWBC世界ヘビー級タイトルマッチで元3団体統一王者タイソン・フューリー(英国)に7回1分39秒TKO負けを喫した王者デオンテイ・ワイルダー(米国)。引き分けに終わった2018年12月以来の“世紀の再戦”に敗れ、44戦目でプロ初黒星となった。まさかの王者陥落を巡っては、陣営のタオル投げの早さに対して賛否の声が一部で上がっているが、ワイルダー自身もタオル投入に納得していないようだ。
衝撃の初黒星にショックは大きいようだ。TKO負けした一戦を振り返るワイルダーの言葉を伝えているのは、米専門メディア「ボクシングシーン.com」だ。記事によると、ワイルダーは自身のトレーナーのマーク・ブリーランド氏がタオルを投入したことに不満をあらわにしているという。
同メディアによると、ワイルダーは自身の陣営の近くに座っていたアンソニー・ディレルが繰り返し試合を止めるように叫んでいたことに惑わされて、ブリーランド氏がタオルを投入してしまったのではないか、という疑念を抱いているという。
ディレルは元WBC世界スーパーミドル級王者。フューリーのヘッドトレーナーである「シュガー・ヒル」ことジャバン・スチュアートに指導を受けていた選手であり、いわば敵陣営に近い存在だ。ワイルダーは、同メディアのインタビューで包み隠さずに不満を語っている。
「相手チームに影響された。(ディレルは)相手チームのトレーナーに指導されていた男だ。ブリ―ランドはディレルに惑わされてしまった。ディレルは叫んでいたんだ。『タオルを投げろ! いいぞフューリー!』とね。ディレルはフューリーのトレーナーと共に戦っていた男だぞ」
今後もトレーナーとするかは未定「オルティス戦の時の方がやられていたんだ」
3回、5回にダウンを喫し、7回に無念のレフェリーストップとなったワイルダー。同メディアによると、試合後にブリーランド氏から「君も人間だ。即座の判断だった。君が傷つく姿を見たくはなかった」と説明を受けたというが、今後もトレーナーとして共に戦い続けるかどうかはまだ決めていないという。
「今回よりもオルティス戦の時の方がやられていたんだ。俺は何をすべきだったか分かっていた。想定内のケースだった。俺は1度もリタイアしたことはないんだぞ」
昨年11月23日のWBC世界ヘビー級タイトルマッチでは、挑戦者ルイス・オルティス(キューバ)に序盤から苦戦を強いられながらも、7回に右ストレート一発でTKO勝ち。V10を達成していた。試合後は完敗を認めるコメントをしていただけに、第3戦を視野に入れたパフォーマンスの意味もあるようにも思えるが、今回の決着には悔いが残っているのかもしれない。(THE ANSWER編集部)