能力が高いがゆえに(C)日刊ゲンダイ

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「(報道では)体力がないという話も出ていましたが、想像していた以上にあると思います」

専門家が徹底解剖 佐々木朗希「163キロ直球」を生かす秘策

 11日に行われたロッテ1位の佐々木朗希(大船渡)の新人合同自主トレ初日。練習後にこう言ったのは、佐々木を実際に指導した菊地大祐トレーニングコーチだ。

 佐々木は自主トレでランニングやキャッチボール、さらには体幹、敏捷性などを強化するトレーニングに取り組んでいる。初日、ZOZOマリンのフェアゾーン沿いを走った12分間走では7人中3位。高校時代、故障リスクを考慮した指導者の方針により、極力、投げ込みや実戦登板を避けるなど、成長過程にあるとされてきた。「体力面だったり、体の強さがまだまだ弱いと思う。しっかり高めたい」と話した最速163キロ右腕について、前出の菊地コーチは「あくまで初日を見ただけですが」と前置きして、こう続ける。

■柔軟性の高さは諸刃の剣にも

「身体能力が高く、バネもある。柔軟性も高いと思いますが、筋力はまだまだ鍛える余地があるでしょう。ただ、柔軟性が高いということは、諸刃の剣になる可能性もゼロではない。佐々木投手のような腕の振りが速い投手は、それに体が耐えられないケースもありえます。体をつくり、筋力を強化すれば、さらに安定した投球ができるようになるとみています」

 佐々木に関しては、球団が独自の育成マニュアルを作成。それに沿った育成を行う方針だ。さるロッテOBが言う。

「体が成長期かどうかの指標の一つになっている骨端線(骨の端にある軟骨層)を調べると、佐々木は完全には閉じていないそうです。高卒選手の場合、この骨端線が残っているケースは少なくない。プロで1年やったら、身長が1センチ伸びた、という選手もいる。佐々木もつまり、身長や腕、脚がさらに伸びる可能性がある。しかも、骨端線が閉じる以前の骨は、閉じた後と比べてモロいため肩肘への負担がかかりやすいともいわれている。佐々木のように腕の振りが速く、エンジンが大きな投手ならなおさら負担は大きくなる。適度な登板間隔を設ければ投げることはできるにせよ、プロの練習や食事によって成長度が加速し、一定のところに落ち着くまでは、無理をさせることはないでしょう」

 佐々木が再び163キロを投げるのは、当分先になるかもしれない。