岩手県・湯川温泉街に掲示されたあるポスター。選挙の候補者...?と思いきや、なにやら様子がちょっとおかしい。


選挙ポスター掲示板...ではない(画像はらいP@mashipiiiiiiさん提供)

「豪華景品の抽選付 笑顔のあるコミュニティ 『なめこ汁』」
「きのこ革新党推選 現状打破 どんなきのこも探します『きのこ探偵』」
「あなたの知らない毒きのこの世界 『毒きのこ博士』」...

本来ならば名前が書かれるべき場所には、きのこ関係の肩書がずらり。「選挙ポスター掲示板」を意識したこのポスター、告知しているのは2019年10月12・13日に開催された湯川温泉の恒例イベント「きのこまつり」だ。

肩書きとキャッチコピーは謎だが、それぞれのポスターは本格的。「14番」が空いているなど、地味に手が込んでいる。というか、この人たちは誰なのだろうか...。

ポスターはツイッターユーザーのらいP(@mashipiiiiii)さんが10月7日に投稿したことで話題となった。他のユーザーからは、

「ツッコミどころしかない」
「なめこすくい おせっかいなおしゃべり付きわろたわ」
「お一人ずつじっくりと公約を うかがいたいですね」

といった声が寄せられ、好評のようだ。

いったいなぜこんなにもシュールなポスターになってしまったのか。Jタウンネットは10月15日、湯川温泉観光協会に取材した。

「ウケを狙っているわけではない」

湯川温泉観光協会の郄鷹(こうたか)政明会長(60)によれば、きのこまつりは前身の「なめこまつり」から50年以上、「きのこまつり」としても30年以上続くイベントだという。会場ではなめこ汁や熊汁などが販売されたほか、きのこすくいや輪投げなどのゲーム、「ミスターきのこ」コンテストなどが開催された。

ポスターは毎年工夫をしながら作っているといい、過去にもこのような遊び心あるデザインのものがあったようだ。

では、今年はなぜ選挙ポスター掲示板風なのか。郄鷹さんはその理由を、

「参院選や岩手県知事選など、選挙が続いた年ということもあってこのデザインになりました」

と話す。

候補者のように映っているのはきのこまつりのスタッフである地域住民たち。「なめこ汁」「なめこすくい」などの肩書きはそれぞれの「担当」とのこと。言われてみればそういうことか...となるが、中には「きのこ報道」「きのこ探偵」など、よくわからないものもある。その点について聞いてみると、

「要はスタッフのパロディですよ。(きのこ報道は)ただ写真好きな人なので。あまりそうやって突っ込まれると、何も面白くないので...(笑)」

できれば詳しく聞きたいところだが、どうやら野暮な質問をしてしまったらしい。掲示板の「14」が空いている理由も聞いてみたが、特に理由はないという。

ちなみにこれらの写真は写りが悪いらしく「本当はもっといいんですけどね、みんな」と郄鷹さんは話す。

今年の参加者は台風19号の影響もあってか例年に比べて少なかったとのこと。

郄鷹さんはポスターがツイッターで話題になったことについて、

「ウケを狙っているというわけではなく、ただ自分たちの楽しみでやっているというだけなので、そういうところで人気になっているということは悪い気持ちはしないです。地域の特色を出して引き続きやっていきたいということに尽きるかと思います」

と話している。