いきなり結論からいうと、2時間半で以下13品を作っていただき、心の余裕もガッツリ買えました!


▼13品の内訳
*鶏肉と大根の煮物
*かぼちゃと厚揚げの煮物
*もやしとモロッコいんげんの味噌汁
*豚ロースのガーリック焼き
*鶏肉の照り焼き
*大根皮のきんぴら
*麻婆豆腐
*たらのムニエル
*あじの南蛮漬け
*鶏肉と野菜のトマト煮
*ズッキーニの肉詰め
*もやしとキクラゲの玉子炒め
*大根ステーキ


■家事、育児、仕事を同時にやる分身の術


日本で家事代行文化が根付かないのは、他人を家にあげることに抵抗があるからだと言われている。
私はそれに加え、妻や母として「負けた気がする」と感じてしまうこと、自分がやればタダなのに、お金を払って人を使うことに気が引けるからだと思っている。

このハードルを越えて、常時利用しているセンパイママに聞くと、「アウトソースしないと、どうにも生活が回らず潰れたから」とのこと。一度どん詰まりを経験してからの解決策だった。

彼女は3児の母であり、フルタイムでバリッと働く社員でもあって、合計3つの外部サービスを駆使して生活を成り立たせていた。

保育園と小学校の送迎はファミサポ、掃除はシルバー人材センター、料理は家事代行。
掃除と料理は、週一の在宅勤務の日に行うという。リビングで遠隔会議をしながら、背後で同時に2案件が進行している効率の良さ。さながら現代版、分身の術である。



ひるがえって私といえば、通常在宅勤務のフリーランスであるため、けっこう時間に融通が利く。仕事が立て込むこともあれば、ヒマ〜な時もある。うん、すごくヒマな時もあるから、「そんなに稼いでないのに家事代行なんてめっちゃ気が引ける」し、「堕落の始まり」という恐怖があった。

だが、気づけばまたワンオペの日々が戻り、自分のホルモンバランスも危うくなり、子どもが入院したりなんだりが続いて、ヤケクソでもって料理代行を頼んだ。時間はあってもやる気が出ない。

……で、冒頭の結論である。

「1週間分作ってください」というオーダーは、まあ無茶ぶりと承知で、4日くらい持てばいいかな、くらいの考えだったのだが、プロは違った。写真では分かりにくいけれど、それぞれたっぷり量があり、1品食べきるには、2〜5回かかる。冷凍して保存を延ばしたり、自分で簡単な料理(味噌汁やお浸しなど)を加えたりもしたのだが、本当に7日間もってしまった。

しかも、ウチにある調味料を使ってもらったはずなのに、未知との味に遭遇。なにこれ、どうやったらこうなるの? 私のよりおいしいじゃん……!

■気になるコスパ、メリットとデメリット


でも、家事代行ってお高いんでしょう? ええ、都心部だと高いらしいのだが、ありがたいことにちょっぴり地方の拙宅は、サポーターさんの時給が1,400円である。
今回の稼働は2時間半。総額コストには時給に加えてシステム利用料もかかるが、初回クーポンを利用したものだから、かなり割安で済んでしまった。マジかよ。

メリットとしては、
・今日の夕飯なにしよう?の悩みから解放される。
・作らなくていい。
・片付けがラク。
・おいしい。
・自分では絶対作らない手の込んだ料理を食べられる。
 (→ズッキーニの肉詰めなんて、一生作らないと思う)
・外食だと子どもたちにおとなしくしてもらう労力がハンパないけど、それがない。
・余った食材や指定の食材を使い切ってもらうこともできる。
 (→ニンジン使い切ってください!など)
・私は2時間半で13品も作れない。(ちなみに2回目は14品を作ってくれました!)

デメリットをあげるなら、
・毎回できたてを食べたい人は、さみしさがある。
・味付けが合わないと食が進まない。

最後に、コストをどうみるかである。(※食材は前もって用意する必要がある)

だいたい1週間分のおかずの材料費が約5,000円、ここに家事代行サービス費用を加え、ざっくり合計約10,000円として、1週間。1日あたりに換算すると、朝・昼(私のみ)・夕食を合わせて1,500円に届かないくらいである。
夫は基本不在なので、食べる人数は、大人1人、子ども2人(年少&小1)。
これが高いか安いかは各ご家庭の判断だが、我が家は外食が減ったので、結果としてお財布にやさしい。

■あなたの家事労働は無料なのか


私は今まで、家事代行を利用するのだったら、自分でこなしてその分のお金を家計からもらい、酒や服を買いたいと考えていた時もあった。だが結局、気が引けてやらないのである。

「プロの仕事じゃないし……時間があるから当たり前かもしれないし……」という妙な謙遜と、「あたしの労働はタダじゃないのよ!」というモヤモヤ。これらがオトシマエをつけないままくすぶって、何かの不調をトリガーに暴発するのである。

これって不幸だ。

私はそもそも、子どもたちのことは大好きだが、子育てそのものは好きではない。
このねじれをベースに母親をやっていると、ふとした瞬間に毎日は修羅場となる。

例えば子どもが盛大なオネショをしたとき、道路の標識をかたっぱしから登り始めるとき、出発時間の10分前にまだふざけて納豆を食べているとき、一緒に笑えるのか、イライラしてしまうのか。

圧倒的にイライラして余裕なく眉間にシワを寄せている人に、家事代行サービスはとても向いていると思う。肩の荷をおろしてみて初めて、背負っていたことに気付くのだと知った。

斎藤貴美子
コピーライター。得意分野は美容・ファッション。日本酒にハマり、Instagramの#SAKEISAWESOMEkimikoで日本酒の新しい切り口とコピーを思案中(日本語&つたない英語)。これからの家族旅行は酒蔵見学。二児の母。