ヴィッセル神戸のMFアンドレス・イニエスタ【写真:Getty Images】

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昨夏J1神戸への移籍を決断したイニエスタ、母国紙のインタビュー取材で思い吐露

 J1ヴィッセル神戸の元スペイン代表MFアンドレス・イニエスタにとって、2年目のJリーグが始まろうとしている。

 今シーズンも日本だけでなくスペインなど各国からの注目を集めるなか、母国スペインの全国紙「マルカ」のインタビュー取材に応じている。様々なことを語り、日本での生活にも一家全員で慣れ始めているようだ。

「日出いずる国に温かさを求めるために、バッグに荷物を詰めた。そして日本で、彼が必要としていたおだやかな日々を手にした」

 同インタビューの冒頭、同紙はこのように触れている。無理もないだろう。育成組織から生え抜きとして育ったバルセロナで元スペイン代表MFシャビ・エルナンデス(現アルサッド)とMFセルヒオ・ブスケッツと抜群のコンビネーションを形成し、アルゼンチン代表FWリオネル・メッシら豪華攻撃陣のゴールを何度もお膳立てした。そして2010年南アフリカ・ワールドカップ(W杯)ではスペイン史上初のW杯制覇を成し遂げ、まさにヒーローとなった。

 その分だけ、スペイン国内での注目度は非常に高く、気が休まる日はなかったのだろう。イニエスタ自身はこのように吐露している。

「タフな時期を終えた後、僕はプライベートな、そして家族での体験を探していた。そのなかで日本とアジアのサッカーを引き上げるような野心的なプロジェクトを感じた」

 それによって昨夏イニエスタが神戸に加入したのは周知の事実だ。そのなかで感じ取っているのは日本という国の文化だという。

日本生活で何より大きいのはプライバシー面 同紙指摘「街中で静かに散策できる」

「最初の数カ月は文化的な違いが多かったから苦労したけれど、順応していったんだ。(神戸の土地は)海と山があって、人々はとても親切で尊敬の念を示してくれる」

 また、イニエスタと彼の妻であるアンナさんは通訳のサポートを受けている一方で、毎週のように日本語のレッスンを受けていることを明かしている。それとともに畳の上で眠ったことはないが、ラーメン、ソバ、スシといった日本伝統の食べ物に舌鼓を打っているという。そして何より大きいのは、プライバシー面の尊重のようだ。同紙はこのようにも記している。

「イニエスタの家族が最も楽しんでいるのは、街中で静かに散策できることだ。日本人はとても謙虚で、スターに対して路上で迷惑をかけることはない。好奇心自体はあるとはいえ、それは不快なほどではないようだ」

 バルセロナの地を離れたイニエスタが手に入れた静かな環境は非常に大きなものだったようだ。(Football ZONE web編集部)