【MLB】大谷翔平、二刀流起用に新戦法? オープナー採用、代打で登場→そのまま登板
米テレビ局「CBSスポーツ」が大胆な戦略を提案
ベーブ・ルース以来の二刀流として、2018年のメジャーリーグを席巻したエンゼルスの大谷翔平投手。投手として10試合に先発して4勝2敗、防御率3.31の成績を残し、打者として104試合で326打数93安打22本塁打61打点の成績をマーク。右肘の靱帯損傷でシーズン後半は打者専念となったが、圧巻の活躍でア・リーグの新人王に輝いた。
メジャーでもベーブ・ルース以外に前例のない二刀流での活躍。この大谷の活躍を受け、米テレビ局「CBSスポーツ」電子版では「オオタニとオープナーの年の後、MLBが2019年に採用するべき4つの大胆な戦略」と題した特集記事を掲載。その中で、今季、流行した“オープナー”と大谷のような二刀流選手を組み合わせるという大胆な戦法を提案している。
この記事では「昨季は二刀流スターのショウヘイ・オオタニなど数多くの才能ある若い選手が現れ、オープナーなど(やや欠点もあるが)興味深い戦略も見られた」と、2018年シーズンに生まれた「二刀流」と「オープナー」の存在に着目している。
「オープナー」とは、今季メジャーで見られた戦術。救援投手を先発で起用し、その後に先発投手が出てきたり、細かく中継ぎ投手で繋いでいく戦術だ。主にレイズが採用し、先発投手を表す「スターター」と区別し「オープナー」と呼ぶようになった。
「CBSスポーツ」電子版は「そうした新しさは、選手であれ考えであれ、162試合のレギュラーシーズンが退屈にならないように新鮮味をもたらした。そして、ある疑問につながった。今後どのような戦略を見たいだろうか?」と題し、来季以降に向けて、新たな戦術を考案し、提案した。
その1つが「二刀流の選手とオープナーを組み合わせる」というもの。「オオタニやタンパベイ・レイズのブレンダン・マッケイのような二刀流の選手を使うには良い手段のように思える」とし、理由を記している。記事では「2人ともア・リーグでプレーしているため、登板する日に打席に立つことはほぼない。我々は彼らが登板する日にDHを捨てることを提案する」と指摘する。
今季流行した「オープナー」が先発、代打で大谷が登場
まず、DHを使わず、投手を組み入れた打順を組む。先発は「オープナー」に任せ、2回から3回まで凌ぐ。投手に打順が回ってきたところで、そこに代打として大谷を起用。そのままマウンドに上げ、6回ないし7回を投げれば、試合もほぼ終わりに近づいているという算段だ。
記事内では、この戦法のメリットも説明されている。「このアプローチを採用すると、そうでない場合と比べて、オオタニやマッケイが(1試合で)2、3回多く打席に立てる。先発登板が20、25回以上となるなら、40〜50回多く打席に立てることになる。DHなしでオオタニやマッケイを先発登板させると、最後の打席が回ってくる前に降板する可能性が高い。オープナーであれば、オオタニやマッケイは7、8、9回まで投げられる可能性が高い」とし、従来の起用法よりも大谷は50打席近く多く打席に立てるとしている。
一方でデメリットについても言及。「オオタニやマッケイが良い投球をしなかった場合、ベンチを使い切るリスクがある。潜在的な金銭面の問題も見逃すべきではない。良い選手をわずかなメリットのために煩わせたくはない。しかし、ロジックはわかるだろう。問題はこの2人の二刀流がこれを受け入れるかどうかである」としている。
そのほかには「2003年のようなアスレチックスのようなチームを作る」「シフトの減少」「盗塁の増加」などを掲げた「CBSスポーツ」。トミー・ジョン手術を受けた大谷は、来季は打者に専念する見込みで、この戦法が実現するのは、早くても2020年。この斬新過ぎる“二刀流起用法”は現実のものとなるだろうか。(Full-Count編集部)