手軽に作れて、ササッと食べられる。お弁当にもピッタリな「おにぎり」は、日本のソウルフードといえるでしょう。今回ご紹介するのは、そんな「おにぎり」が主役のレストランなのですが、ビジュアルや味がとにかく前衛的で「意識高い」とのウワサ。一方で、メニュー名は「よくわからないけどすごい」「イキりすぎ」「ヤバい」「こじらせてる」と、とにかく話題になっています。一体どんなお店で、本当においしいのでしょうか?  試食会に行って確かめてきました!

 

タイガーがプロデュースする無料のおにぎりレストランを訪問!

取材に訪れたのは、土鍋おにぎりで愛を語るレストラン「La Donabe(ラ・ドナベ)」。東京・代官山の「代官山T-SITE GARDEN GALLERY」で、10月19日(金)〜21日(日)の3日間限定でオープンしています。

 

「アート×おにぎり」がテーマで、とてもおにぎり屋さんとは思えないビジュアルに、いきなり面食らいます。

↑開放的な雰囲気の外観

 

↑立て看板もかなり気合が入ってます。あれ、真ん中のトラのイラスト、どこかで見たことある気が……

 

こちらは炊飯ジャーでおなじみの「タイガー魔法瓶」が、同社の土鍋炊飯ジャー「炊き立て」で炊いたごはんのおいしさを知ってもらうために期間限定でオープンするレストラン。うれしいことに料金は無料です!

 

気になるおにぎりのメニューは全部で7種類あり、そのなかからランダムで1品と、裏メニューが1品提供されます。中に入ってみると、すでに巨大なオブジェが目に飛び込んできます。内装は、国内外から注目を集めるバルーンアーティスト・Daisy Balloon(デイジーバルーン)が担当したとか。「アート×おにぎり」のコンセプトはダテではありません。

↑テーブルは中央のオブジェをぐるりと囲むように配置。白く巨大なオブジェは、生命の循環をテーマに、炊きたてのごはんの象徴ともいえる水蒸気を描いたアート作品「気化 - vaporization」

 

↑テーブルウェアが完璧です

 

↑店員さんもスタイリッシュ

 

徹底したコンセプトを感じる、ウワサ通りのメニュー名

そして注目のおにぎりが運ばれてきました。今回筆者に提供されたのはこちら。メニュー名「やがて少年は気づく、それが一かけらの永遠だったということに」。なるほど、これはウワサ通りな……。

↑かわいいフォルムに、フレンチのような装飾とソースが

 

説明文も以下の通りポエミーです。

 

「やわらかな甘さに包まれる幸福な小宇宙。記憶に残るのはどこまでも爽やかな柑橘の香りと梅の酸味。それが初恋という名の体験であることをまだ知らない少年が人生で初めて味わう、甘く切ない気持ちにも似たおにぎりです」

↑メニュー名と素材が書かれたメニューブック

 

美しくて斬新すぎるおにぎりに、目からウロコが落ちる思い

グリーンレーズンやクコの実、しそ梅干し、ジャスミンティーにミカンの皮など、使われている素材も異色。お味のほうはどうでしょうか。

↑超オシャレおにぎりを実食!

 

梅しそをベースとした和風のおにぎりに、クルミや白ごまがほんのりとした香ばしさを演出。さまざまな素材が生む複雑な味わいを内包しながらも、何ひとつ違和感はなく、うまくまとまっている印象です。皿の上にはマンゴーベースのソースがあしらわれていて、これが甘酸っぱいけれど絶妙にマッチ。

 

なるほど、メニュー名は、この甘酸っぱさを少年の初恋の記憶に重ねていたんですね。未体験な味わいですが、確かにこれはウマい!  こういう味わい方もアリなのか……と、おにぎりの新たな可能性を感じました。

 

ほかのグランドメニューもいくつか見てみましょう。また名前が……。

↑「ほろ苦さが教えてくれたのは、朝焼けの完璧な静寂」

 

↑「大いなるゆるしを受けたものたちのにぎやかな饗宴」

 

↑「その壁の向こうにあるものへの恐怖とあこがれ」

 

↑「なにもなくてすべてがあった遠い日のおもいで」

裏メニューの「愛そのもの」でごはんのウマさを再認識

驚愕づくしのグランドメニューに続いては、裏メニューの「愛そのもの」が振る舞われました。

↑こちらが裏メニューの「愛そのもの」。先ほどとは打って変わって、シンプルです

 

この「愛そのもの」は、いわゆる塩むすび。こちらはストレートに炊飯器で炊いたごはんのうまさがわかります。豊かな米のうまみと適度な粒の弾力、余韻で広がる甘味は格別です。しかし、メニューに載っていないだけで、全員にふるまわれるものを裏メニューと言えるのか。それはもう「表」じゃないか……。まあいいか、アートですし。

 

試食した2つのおにぎりは、あえてそうしたのか、炊きたてのホカホカではありませんでした。しかし、だからこそ絶妙な炊き加減と、お米自体のおいしさを感じました。ちなみにお米は、岐阜県高山市の和仁(わに)農園の金賞受賞コシヒカリ「黄金の煌き(きらめき)」というブランド米で、炊飯に使用した炊飯器はもちろんタイガー製(以下写真)です。

↑炊飯器は「土鍋圧力IH炊飯ジャー〈THE炊きたて〉JPG-X100」。実売価格は13万8200円というプレミアムなモデル

 

↑内釜には、三重県四日市市の伝統工芸品「四日市萬古焼」の土鍋を採用

 

やっぱり、こだわりの炊飯器で炊くと、ごはんは冷めてもウマい!  ちょうど今は新米の季節。みなさんも、いろいろなアレンジで、お米のおいしさを楽しんでみてください。とはいえ、「La Donabe」ほどのアレンジは難しいでしょうが……。

 

なお、現在「La Donabe」公式サイトには「ご好評につき、只今通常のご予約は満席となっており、キャンセルが出た場合のみ予約可能になります。ご予約いただけない場合でも、若干数の当日席をご用意しておりますので、ぜひご利用ください」とのこと。少ないながらも、まだチャンスはあるようです。希少な体験をしてみたい方、ぜひ代官山へ!

 

【La Donabe 店舗情報】

オープン日時: 2018年10月19日(金)〜21日(日)
12:00 〜 21:15(L.O20:45)
開催場所: 〒150-0033 東京都渋谷区猿楽町16-15 代官山T-SITE GARDEN GALLERY
東急東横線「代官山駅」より徒歩 5 分
席数: 24席
全品無料: 7品のうちランダムに選ばれた1品と裏メニューを無料に提供
システム: 事前予約制 *予約が一杯の場合でも、当日席の用意あり