『郷土料理 ラッ婆』(大分県公式ホームページより)

アメリカで生まれた「ラップ」は今や世界を席巻し、とうとう大分県に83歳の女性ラッパー、いや「ラッ婆(ラッバー)」が登場し、話題となっている。

「ババから伝承 郷土ん料理 過去からいま 伝わるレシピ」

......と歌い始め、軽やかなリズムに乗って踊るラッ婆の動画には、「かわいい」「かっこいい」といった感想が、ツイッターに寄せられている。

「耳たぶぐらいがいいあんべえ」


『郷土料理 ラッ婆』(大分県公式ホームページより)

ラッ婆が登場するのは、大分県の食品・生活衛生課が製作した『郷土料理 ラッ婆』という5分26秒の動画だ。大分県に伝わるさまざまな郷土料理の中から、ラッ婆は「だんご汁」の作り方を歌い、踊る。

「芯からほかほか 心もほかほか しんけんおいしい だんご汁っちゃ」

大分の方言を交えながら、孫たちに一生懸命伝えようとする、ラッ婆の表情は確かにかわいい。


『郷土料理 ラッ婆』(大分県公式ホームページより)

出演者は公募で歌唱力などを基準に選ばれた県内在住の男女5人。最年長は祖母役の、83歳の高橋鴿子(はとこ)さん。最年少は孫役の、10歳の安野心粋(こいき)さん。祖母から孫へ、ラップのスタイルで、だんご汁の作り方を細かく伝授していく。

「むにむに むにむに 耳たぶぐらいがいいあんべえ」

孫の安野さんのいきいきとした表情は印象的だ。


『郷土料理 ラッ婆』(大分県公式ホームページより)

Jタウンネット編集部は大分に電話して、話を聞いてみた。答えてくれたのは、大分県食品・生活衛生課の担当者だ。

「この動画は、今年の6月に開催された『第13回食育推進全国大会inおおいた』がきっかけで制作されました。大会中には会場で、また大分駅前で、動画を上映しました」


『郷土料理 ラッ婆』(大分県公式ホームページより)

大分県では、これまでも郷土料理のレシピを伝えるなど、食育の啓発に力を入れてきました。印刷物やホームページなどの制作は行ってきたのですが、今回初めて動画を制作し、視覚的に訴えてみようと試みたわけです」

ラップでとくに訴えたかったのは、次のフレーズだろう。

「伝えたい 愛のレシピ つなげたい 郷土のこころ」

何度もリフレインされる、シンプルな歌詞が心に突き刺さる。


『郷土料理 ラッ婆』(大分県公式ホームページより)

大分県は温泉県として知られ、温泉の中でシンクロを演じる「シンフロ」動画は、動画投稿サイトYouTubeで大変な注目を集めた。はたして「ラッ婆」は「シンフロ」に近づく人気を得るのだろうか。

「ラッ婆」動画は大分県公式サイトで公開され、YouTubeでも公開されている。

郷土料理ラッ婆(ラッバー)Hometown Cooking "Granny-Rap" | おんせん県おおいた 食育PR動画