砂かけおばさん不在から4か月「平和」と口を揃える近隣住民の一抹の不安
今年4月30日、2階の自宅ベランダから階下の女性に植木鉢の砂や自身の尿などをかけるなどして暴行罪で逮捕された、神戸市北区の70代の砂かけ女。
6月29日の判決公判で懲役8か月執行猶予4年が言い渡され、その後、刑が確定した。
どこかの施設に入っている
傍聴席に足を運んだという被害女性は、
「裁判を見る限り反省していないのかなと思います。直接の謝罪はまだないです。裁判の最後に、何かひと言ないですかと裁判官に促されたときに“悲しいです”って言ってました。反省の弁を述べるのかなと思ったんですけど」
まるで自分が被害者のような“悲しいです”という妄言を残し閉廷して以来、砂かけ女の姿は、自宅周辺で目撃されていない。
「現状は平和ですね。みんな、喜んでいると思いますよ。帰って来たらまたどうなっちゃうのかなという心配はありますけど」
そう明かすのは近隣の主婦だ。続けて、
「室内の洗濯物が、逮捕されたときのままなので、自宅には戻ってないと思います。夜も電気はついていません。体調が悪いとか言っていたらしく、どこかの施設に入っていると聞きました」
裁判では、自宅を売却して転居するという意思を示していたが、
「まだ、引っ越すとか、売り払ったという情報はないからどうなっているのかわからないですね。
そもそもあの人、管理費や組合費を何十万円も滞納していて、住人や管理会社が法的措置を取ろうと動いていたらしいんです。その前に、“砂かけ事件”が起きてしまったので……」
と前出・被害女性が、砂かけ女のルーズな一面を明かす。
マンションの自治会長は退去について、
「いや、わからないんですよ。どうなっているのか、(事件以来)会ってないですね。出て行くのかどうかも決まっていないと思います」
と、問題が宙ぶらりんのままであると認める。
地域の福祉関係者が、砂かけ女の車を移動させたことがあったという情報から、地元の地域包括支援センターの担当者を通し、施設の砂かけ女への直接取材を試みたが、
「個人情報のため、どこにいるかなどはお伝えすることができません」
との回答だった。
前出・被害女性は、
「とりあえず施設に入っていたんだけど、いったん帰ってくるっていう話は聞いていたんです。ただ、もう私にとってこの問題は終わったので。もしあの人が帰ってきても、何もしてこなければ別にいいかなって思います」
男性住人は、
「現状は静かで平和ですが、家の荷物もそのままだと思いますので、いずれ戻ってくるかもしれないですね」
と、少しばかり不安は残っている印象だった。
近隣住民が“平和”と口をそろえる、逮捕当日からの穏やかな日々は4か月目に突入した。
しかし、この“平和”が“つかの間の平和”で終わるのか“恒久平和”を実現できるのかは、砂かけ女次第。
事件直後、近隣の主婦は、「行政の支援が欲しいですね。もめごとが我慢できずに、刃傷ざたになることもありますからね」と懸念していた。
ひとりで戻ってきたときに、近所への復讐心が芽生えないか。不安の種は残されたままだ。