北海道日本ハムファイターズ清宮幸太郎が不振にあえいでいる。13日の福岡ソフトバンクホークス戦でも無安打に終わり、これで19打席連続ノーヒットだ。

だが、清宮がプロ入りしてから苦しむのは、これが初めてではない。13日放送、テレビ東京「追跡LIVE! Sports ウォッチャー」では、2軍を率いる荒木大輔監督が清宮に送った言葉を伝えた。

スランプに陥るまで、清宮は7試合連続安打の新記録を樹立し、プロ初本塁打も記録した。球界を代表する選手の1年目と比べても、その活躍は目覚ましい。

その後不振に陥ったが、清宮はすでに2軍でも壁を経験している。周囲から能力を疑問視する声も上がる中、1軍昇格を勝ち取った。その鍵を握ったのが、荒木監督だ。「野球をやるうえでは準備をしなかったら何事もうまくいかない」と、「準備」の大事さを伝えていたという。

自身も“大ちゃんフィーバー”を経験し、プロ入り後最初は戸惑ったという荒木監督は「準備の仕方が分からなかったり、準備の時間をどのように使うかというところで戸惑って、バタバタとなって、自分の得意なものがどんどん少なくなって乗り遅れてしまうケースが多い」と明かした。

同じ境遇だからこそ分かる失敗を清宮が犯さないようにと、荒木監督は2軍で無安打が続いたときに「ちゃんと教育しないといけない」と、清宮を監督室に2回呼んで「どうにか良い方向に向けるように話をした」という。

実際、初本塁打を放った試合後の「準備もしっかりいつもしていますし、平常心で打席に入ることができている」という清宮のコメントには、荒木監督の助言がうかがえる。

再び壁にぶち当たっている清宮に、荒木監督は「どんどん失敗して、失敗したことを努力して、カバーしていけばいいから、逃げずにどんどん向かっていくこと」が大事だとコメント。本人には電話で「もう来るな」と伝えたと明かした。「お前には会いたくないという気持ちを込めて伝えました」。

野球解説者の中畑清氏は、清宮について「中身は悪くない」とコメント。現役時代にスランプを経験した際、長嶋茂雄監督から「バットなんか持ってんじゃねえ、一日中走っとけ」と言われたと明かし、「大事なのは下半身。走りこんで走りこんで、気分転換しながら、次を目指す。これも準備のひとつ」とエールを送った。