エンゼルスの大谷翔平とマリナーズのイチロー【写真:Getty Images】

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憧れのイチローの前で2打数1四球1打点2得点

 エンゼルス大谷翔平選手が4日(日本時間5日)、敵地マリナーズ戦に「5番・DH」で出場し、今季6度目のマルチ安打をマークした。メジャー初の4戦連続野手スタメン。前日に続き、2安打1四球で3度出塁に成功し、2試合連続打点も挙げた23歳は、憧れのイチロー外野手の前での活躍に「野球教室にきた小学生がすごく張り切っていいところを見せようという、そういう気持ちだった」と素直な気持ちを明かした。

 2回先頭で迎えた第1打席。敵地ファンからブーイングを浴びながら打席に向かった大谷は「アメリカに来て一番力んでスイングしていたいんじゃないかと思います」と振り返る。「あまり経験がない」と苦笑いするブーイングも理由の1つだが、何よりも憧れの人、イチローが見守る中で、しかもテレビで見ていたセーフコフィールドで立つ初めての打席だったからだ。

「やっぱり憧れている選手に見てもらいたいというか、いいところを見てほしいっていうのはどの選手も思うんじゃないかと思いますし、ずっと目標にして頑張ってきたところで、自分のいいところを出したいなと。そういう気持ちはあるんじゃないかと思います」

 普段は打席で緊張することはないという。ほぼ初体験の力んだ打席は空振り三振だったが、4回無死一塁の第2打席には2ストライクから右腕リークの3球目の89マイル(約143キロ)カットを鮮やかな中前打。続いて、5回2死一、二塁の第3打席では、カウント2-2から5球目の82マイル(約132キロ)のチェンジアップを左越えのタイムリー二塁打とした。

 2ストライクに追い込まれてから2安打した対応力について、イチローが褒めていたと聞かされると、「すごく光栄なことですし、僕のことについて話してくれるだけで僕は満足なので、うれしいなと思います」と野球少年のような笑顔を浮かべた。

 6日(同7日)のシリーズ第3戦には先発マウンドに上がる予定だ。そこでもまた、憧れの人の目に残る快投を披露したい。(盆子原浩二 / Koji Bonkobara)