保護者の負担を減らそうと、東京都豊島区は、すべての認可保育園で使用済みおむつを回収すると発表した。

それまでは保護者がおむつを持ち帰っていたわけだが、このことに「知らなかった」と驚く声がツイッター上で次々に出ている。

「買い物で困る」「不衛生」との声を受けて4月に導入

使用済みおむつ回収については、区が2018年2月5日、18年度一般会計当初予算案を発表したときに明らかにした。


多くの保育園で、おむつを持ち帰っていた(写真はイメージ)

区の保育課にJタウンネットが7日に取材して聞いたところによると、各保育園に専用のポリバケツを置き、区の委託業者がバケツにたまったおむつを各園で週3回回収する。18年4月から区内に約100か所ある区立・私立の認可保育所で実施することにしており、当初予算案にその費用約1300万円を計上した。

これまでは、一部の私立保育園を除き、保護者がおむつを持ち帰っていた。おむつはごみ処理に含めず保護者に返すことを国が基本にしていたためで、子供の便から家庭で体調管理ができるなどのメリットもあったという。

しかし、近年は生活スタイルが変わってきて、「子供を迎えに行った後で買い物するときに困る」「臭いが漏れたりして不衛生ではないのか」といった意見も保護者から寄せられるようになった。また、おむつは1日平均で子供1人当たり5回ほど園内で換えているが、保育士も子供ごとにおむつをまとめて置かなければならず、業務の負担になっていた。

そこで、区では、保育環境を改善し、人口減少にも歯止めをかけようと、認可保育園でのおむつ回収を始めることにした。子供の便の状態については、希望者には見せるというが、まずは保護者への連絡帳に書いて伝えたいとしている。

ほかの区では、区立保育園が回収しているケースもあるが、すべての認可保育園で行うのは全国初だという。

「賛否あるのは知っているが、子育てしやすい街にしたい」

豊島区のおむつ回収について、新聞各紙がウェブ版でも報じると、ツイッター上などで大きな反響を呼んだ。

保育園ではおむつは保護者が持ち帰ることが多いということには、初めて聞いたと驚く声が多かった。そして、おむつ回収を歓迎する声が多数寄せられている。

一方で、区の税金でおむつ回収を負担するのではなく、保護者から処理代を取るべきだ、その分の税金を保育士の給料に充てたらどうか、といった意見も寄せられている。

区の保育課では、「いろいろなご意見があることは承知していますが、子供たちの将来のためにも、子育てしやすい街にしようと、区でおむつを回収することにしました」と話している。