ジャニーズ新世代のグループで浸透していない「クン付け」慣習
「でも、今の辰哉見てたらなんとなくわかりました! ボールの動きというか……」
1月13日に放送されたジャニーズJr.の冠バラエティ番組『ジャニーズJr.DX』(フジテレビ系)では、放送から4日後の17日にデビュー発表となるKing&Princeが出演していた。
「この日は真冬の水泳大会と銘打って、プールでデビュー前のグループ・Mr.KingとPrinceがさまざまな種目で対決を行いました。Mr.KingにはSnow Manが、PrinceにはSixTONESがチームメイトとして参加していました」(視聴した女性ファン)
Snow Manには深澤辰哉(25)、SixTONESには京本大我(23)という事務所に入って10年以上になる大先輩がそれぞれ“仲間”だったわけだが、その中で冒頭の平野紫(し)耀(よう)(20)のセリフは、ファンの間で疑問視されている。
「プールの上を大きなボールの中に入って走り、ゴールまで競争するという種目でした。深澤クンが1回戦に出て買ったんですけど、2回戦に出る平野クンが“辰哉”って呼び捨てしたんです。仲がいいからかもしれませんけど、ファンの間では“平野、舐めてるの?”と言っている子もいますよ」(同・視聴した女性ファン)
放送時点で平野は20歳で、深澤は25歳。事務所に入ったのも、'12年入所の平野に対し、深澤は'04年入所で、言わずと知れた大先輩である。ファンが怒っているのは、平野がジャニーズ事務所の“暗黙のルール”を破ってしまったからだ。
「ジャニーズ事務所では、先輩のことを“クン”を付けて呼ぶという有名な慣習があるからです。先輩の深澤クンに対して平野クンが呼び捨てをしたことは、このルールに背きますからね」
そう話すのは、芸能ジャーナリストの佐々木博之氏。なかでも、近藤真彦(53)は後輩から“マッチさん”、東山紀之(51)は“ヒガシさん”などと呼ばれている。
「以前、滝沢秀明さん(35)がテレビ番組で大先輩には“さん”付けすると語っています。また、“聞くところによると、「クン」は「さん」、「さん」は「様」に当たる”とも明かしていました」(テレビ誌ライター)
しかし、なかには例外もあるようだ。
「Jr.時代は先輩後輩だった関係性が、同じグループでデビューしたために仲間意識が強まり、呼び方が変わることはあります。例えばTOKIOでは、山口達也さん(46)が年上の城島茂さん(47)のことを“リーダー”や“しげ”と呼んだり、V6では岡田准一さん(37)が井ノ原快彦さん(41)のことを“イノッチ”、三宅健さん(38)が長野博さん(45)のことを“ひろし”と呼んだりしています」(芸能レポーター)
また、大先輩じゃなくても年上に対して“クン”付けでないこともある。
「KAT‐TUNの亀梨和也さん(31)、A.B.C‐Zの塚田僚一さん(31)、Kis‐My‐Ft2の藤ヶ谷太輔さん(30)は同年入所。それなのに昨年、テレビ番組で共演した際に、藤ヶ谷さんが“亀梨さん”と呼んでいたのは気になりました。確かに、デビューは先輩ですが……」(同・芸能レポーター)
先輩後輩とはいえ、その距離感によっても呼び方は左右されてしまうところ。
「Kis‐My‐Ft2の北山宏光さん(32)は、“クン付けで呼べる先輩は距離感が少し近くて、漂っているオーラが違う人はさん付けをする”と語っていたことがあります。木村拓哉さん(45)のことは“さん”付けで呼ぶのに対し、中居正広さん(45)のことは“クン”付けで呼ぶと明かしていました」(同・芸能レポーター)
逆に、距離感が近くても呼び捨てにできないこともある。
「V6の三宅さんは、KinKi Kidsの堂本剛さん(38)と同い年。事務所に入ったのが三宅さんのほうが遅いので“剛クン”と呼んでいたそう。仲よくなってもこのときのクセが抜けず“クン”呼びのままだそうですが、たまにふざけて呼び捨てで呼ぶと、ファンは喜ぶみたいですね」(同・芸能レポーター)
この“クン付け”する慣習は、どのようにして生まれたのか。
「ジャニーズができた当初からこの慣習は存在したといいます。ジャニー社長は先輩後輩という上下関係だけではなく、同じ事務所の“友達”であり“仲間”だという意識を持ってもらいたかったのだそうです。
アメリカ国籍を持つジャニー社長が慣れ親しんだ文化では、男性は上下関係を問わず“ミスター”という敬称を付けます。これは日本にはない感覚。敬称を保ちながらも、仲間意識を持つことができるよう、“ミスター”=“クン”というように取り入れたのだそうです」(佐々木氏)
今回の平野の件は、ファンの間では悪目立ちしてしまったが、
「ジャニー社長が育てたかった“みんな友達”という精神を知らず知らずのうちに受け継いでいるのかもしれません。ただ、これからデビューも控えているので、ファンの目も気にしなくてはいけないときがあるでしょうね」(前出・佐々木氏)
なぜなら、呼び方ひとつでファンを一喜一憂させてしまう力が、ジャニーズタレントにはあるのだから――。