ニュージーランド戦後は多くの選手と活発な話し合いの場を持ったという酒井宏。ただし、自身を成長させる場はあくまでクラブという認識だ。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

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 日本代表は10月10日、日産スタジアムでハイチ代表と対戦する。前日9日にはトレーニングの様子が冒頭15分のみ公開された。

 
 練習後、取材エリアで6日のニュージーランド戦を振り返ったのは右サイドバックでフル出場した酒井宏樹だ。ハイチ戦に向けては「良い入りをすることが大事」と語った酒井宏だが、ニュージーランド戦では失点シーンに絡み、周囲の選手と頻繁にディスカッションを行なったという。
「失点はミスが何個も重なって生まれるもの。あれから今日まで、そのシーンについて、いろんな選手とかなりディスカッションすることができた。こういう(失点)のが2回3回と続かないことが大事」
 
 守備面での修正の取り組みについて語った酒井宏は、一方の攻撃面では倉田秋の代表初ゴールとなる決勝点をお膳立てしているが、このアシストについては慎重な見方をしている。
「1-1の局面で両サイドバックが上がるのはかなりリスクが高いやり方だった。あれを本戦でもやるかと言われたら、分からないですけど、前回(ニュージーランド戦)は勝ちに行ったので。どちらに転ぶか分からないやり方なので、ああいうのは試合状況を見ながらやっていきたい」
 
 攻守両面で様々な課題や修正ポイント、手応えを得られたニュージーランド戦だったようだが、果たして酒井宏自身は本大会のメンバー入りへ、どのような青写真を描いているのか。そんな質問に対して、酒井宏はこう答えている。
「代表というか、ワールドカップのためにやっているわけじゃない。やはり、しっかりクラブでやることが大事ですし、クラブで最後までやり切った結果が、ワールドカップにつながると思うんです」
 
 さらには「クラブが自分にとって成長する場なので、そこで頑張っていきたい。代表は成長するところじゃないので」と言う。
 
 クラブでの日常を充実させ、自己の能力を高めていくことこそが、ワールドカップに出るための近道――。海外で6年目を迎え、ワールドクラスとの対峙にも動じることなく対応を見せる右サイドバックが到達した真理と言えるだろう。