金浦空港に到着した二階氏(右)=10日、ソウル(聨合ニュース)

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【ソウル聯合ニュース】安倍晋三首相の特使として自民党の二階俊博幹事長が10日、韓国を訪問した。

 二階氏はソウルの金浦空港で記者団に対し、「皆の協力でベストを尽くしたい」と述べた。約360人が同行しているという。自民党の重鎮として観光など両国の民間交流に取り組んできた二階氏の韓国訪問には多くの日本観光業界の関係者も参加した。
 二階氏は10〜11日に南西部の全羅南道・木浦で民間交流活動を行う。12日に文在寅(ムン・ジェイン)大統領と会談、安倍首相の親書を手渡し、両国関係の発展などについて意見交換する見通しだ。7月初旬にドイツで開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合に合わせ、文大統領と安倍首相による初の首脳会談の開催についても協議するとみられる。
 文政権発足後、両国関係の重要課題として浮上している旧日本軍の慰安婦問題を巡る2015年の合意に関しても議論するか注目される。
 二階氏の韓国滞在は4日間で、李洛淵(イ・ナクヨン)首相や韓日議員連盟前会長の徐清源(ソ・チョンウォン)議員(野党・自由韓国党)などの政界関係者と面会するほか、韓国中小企業中央会の金基文(キム・ギムン)名誉会長など財界関係者とも会合を開く予定だ。
 木浦では「金大中ノーベル平和賞記念館」や「共生園」などを訪れる。共生園は、故尹鶴子(ユン・ハクジャ、日本名:田内千鶴子)さんが孤児の面倒を見ていた施設だ。尹さんは日本による植民地時代の1912年に朝鮮総督府の官吏の一人娘として生まれ、父親に連れられて木浦に来た後、共生園を運営していた朝鮮人伝道師と結婚。68年に亡くなるまでに3000人余りの孤児を育て上げた。
 二階氏は安倍首相側近の「右翼強硬派」が勢いを増している自民党内で韓国や中国との関係を重視する「ハト派」の中核とされる。
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