【情報提供】ニールセン・スポーツ(FBページ:データで見るスポーツマーケティング

「お金を払ってスポーツ中継を見る」。今では当たり前となっていることだが一昔前までは毎日のように地上波で何かしらの競技が放送されていたため、決してスタンダードではなかった。インターネットも普及していなかったため、触れられる競技の幅が狭いということもある。そのため、日本では「スポーツ動画コンテンツ=無料」といった考えが主流であったように思える。少なくとも、今ほどスポーツ動画に対して月額で課金をすることへの抵抗感は、昔のほうが強かっただろう。

 

※出典:ニールセン スポーツ
※画像は縦軸が有料動画コンテンツの視聴意向率、縦軸はその中でスポーツに関心がある、と答えた数の層

 

上のグラフを見るとプロ野球中継を地上波で当たり前のように見てきた50代、40代、そしてJリーグ開幕をリアルタイムで見てサッカーブームを体感し、こちらもまた地上波で多く目にする機会もあった30代はスポーツに対しての興味度、視聴意向が共に高いものの価格受容性が低い。彼ら彼女らの代ではスポーツ映像をお金で払って見るということがスタンダードではなかったことが伺える。

 

 

では若年層はどうだろうか。男女ともに10代はスポーツへの関心度が低く、女性は価格受容性も低い。しかし10代男性は有料動画の視聴意向が高く、特に経済的に余裕があるであろう40代男性よりも平均価格を上回っている。その年齢の平均所得を考えるとコンテンツ課金にかける割合は大きいのは非常に興味深い。

一方、女性に目を向けると、スポーツの関心度は全体的に低いが、有料動画への視聴意向は50代を除き強く、特に30代に関して言えば平均価格受容性がなんと1,338円と全体を通して見てもダントツに高い。また、全体を通して見てみても男性よりも平均値は高く、女性はお金を払って動画をみるということに対して男性よりも抵抗感が少ないということが分かる。

 

今回の調査結果を見る限り有料動画の視聴意向は女性の50代を除き、スポーツに関心がある、なしに関わらず70パーセントを上回る高さがあることがわかった。冒頭に述べたように「お金を払ってコンテンツを見る」ということが市民権を得始めてきている証拠ではないだろうか。スポーツに興味を持ってもらえさえすれば、それが“有料”のサービスだとしても抵抗なく払ってくれる人は潜在的に多いと言えるだろう。だからこそ新規ファンの獲得が重要になっていくのであり、それが市場の拡大へと繋がっていくだろう。