「おかあさんといっしょ」だいすけお兄さんは本日卒業、見逃さないで!
松本人志も小栗旬も見ている『おかあさんといっしょ』(Eテレ、午前8時〜)を9年間にわたって支えてきた11代目うたのお兄さん・横山だいすけが本日卒業する。
「3月いっぱいで番組から卒業」と発表されていたため、31日(金)に卒業すると勘違いしている人もいるかもしれないが、だいすけお兄さんの通常番組への最終出演日は30日(木)だ。つまり今日! ファミリーコンサートから未放送曲を集めた「春特集〜コンサートから(2)」が放映された後、12代目うたのお兄さん・花田ゆういちろうとの新旧お兄さんの交代の挨拶が行われる。
28日(火)には、だいすけお兄さんが演じる人気キャラクター「かぞえてんぐ」が最後の出演を行った。ツイッターのタイムラインには惜しむ声が溢れかえり、「かぞえてんぐ」は見事にトレンド入りしていた。
かぞえてんぐとは、毎回異常なテンションで子どもと一緒に物を数え、数え終わると恍惚の表情で長い鼻の先から花を咲かせたり、いろいろなものを出したりする天狗のキャラクター。とある新聞記事には「『これ、子供番組で大丈夫?』という危なげなキャラクター」と書かれていた。ミーニャを呼ぶときの「ねこちゃ〜ん」という声色もヤバかった。
28日はテーマ曲「かぞえてんぐがやってきた」を最初で最後のオンエア。ラストでうちわをそっとステージに置き、振り向いて消え去る姿が「山口百恵へのオマージュか?」「山口百恵の名前にも数が入っている!」と話題を集めた。15日に放送された通常回の最終回での「ハンカチはいらないぞ! 涙の数を数えるからさ」というセリフもイカす。
余談だがアメリカの教育番組『セサミストリート』には、同様に数を数えるのが大好きなカウント伯爵という吸血鬼キャラがいる。吸血鬼や天狗などの怪異にものは数を数えるのが大好きという伝承は世界中にあり、かぞえてんぐの元ネタになったと考えられる。
かぞえてんぐの最終回であのフィーバーぶりだったわけだから、だいすけお兄さん本人の卒業となれば、さらにヒートアップするのは間違いない。ツイッターのタイムラインが焼き切れないか心配だ。
うたのお兄さんは大変な仕事だ。いくつもの「掟」があるという噂もあるが、それは別にしても、あらゆるタイプの曲を歌い、曲にあわせて踊り、子どもたちの相手をして、さらにコンサートやミュージカルで日本中をかけめぐらなければならない。これをだいすけお兄さんは9年も続けてきたのだ。よく知られていることだが9年は歴代最長である。
曲のタイプもさまざまだ。さだまさし、中西圭三、岸谷香、斎藤ネコ、知久寿焼、遊佐未森、小宮山雄飛、ポカスカジャン、久住昌之、バンバンバザール、金城綾乃(Kiroro)、佐藤良成(ハンバートハンバート)……。作曲者のクレジットを見れば、曲のバラエティ豊かさは一目瞭然。これらの曲を歌のおねえさんと2人で歌いこなさなければいけないのだ。国立音大卒、劇団四季にも在籍しただいすけお兄さんのキャリアは伊達ではない。
さらに、ただ上手く歌えばいいというわけではない。だいすけお兄さんは2月に行われた卒業会見で次のように語っている。
「自分が大切にしたのは『うたのお兄さん』になった時に先生に言われた『詞を子ども達に届ける。メロディーよりもまず詞を読み込んで届ける』。おかあさんといっしょの歌はシンプルな言葉が多いが、子ども達が聞いて素直に笑えるようにと心に決めて歌いました」(スポーツ報知)
先生とは作曲家の福田和禾子のこと。「はじめてはじめまして」など数多くの曲を『おかあさんといっしょ』に提供するほか、歌唱指導やオーディション選出にも携わっていた。だいすけお兄さんがレッスンを受けたのは2008年のことだが、その年の10月に福田さんは病没。それ以降、だいすけお兄さんは先生の教えを忘れず、「あたたかさや楽しさ、ことばのもつ色やニュアンスを歌で表現できるようにと心がけています」(『NHKのおかあさんといっしょ』15年2月号)と語っている。
はたして、だいすけお兄さんは卒業にあたって、全国の子どもたちと親たちにどのようなメッセージを残すのだろうか?
筆者にも5歳の娘がいるのだが、0歳の頃から5年間にわたって、だいすけお兄さんの歌を聴き続けてきた。娘は『アナ雪』や星野源やピコ太郎にもハマっていたが、間違いなく一番たくさん曲を聴いたボーカリストはだいすけお兄さんだ(二番はたくみお姉さん)。そういう子どもは全国に無数にいるし、そういう子と一緒にだいすけお兄さんの卒業を見守っている親も全国に無数にいる。
ファミリーコンサートのラストで緞帳が下がるとき、だいすけお兄さんをはじめとするキャストたちがステージに這いつくばって子どもたちに手を振り続ける姿をよく目にした。最後の一瞬まで子どもたちに手を振りたいという気持ちの表れだろう。きっと今日も、最後の最後まで子どもたちのことを想ったメッセージを送ってくれるはずだ。
ちなみに31日に放送されるのは「春特集〜ファミリーコンサート ミュージカル〜」。内容は体操のお兄さん・小林よしひさをフィーチャーした「天才よしナルド・大ピンチ!」だが、もちろんだいすけお兄さんも出演する。そして4月1日(土)にはだいすけお兄さん最後のステージ「ファミリーコンサート益田公演」が放映される。だいすけお兄さんの笑顔と歌声を目と耳に焼きつけよう。
(大山くまお)
「3月いっぱいで番組から卒業」と発表されていたため、31日(金)に卒業すると勘違いしている人もいるかもしれないが、だいすけお兄さんの通常番組への最終出演日は30日(木)だ。つまり今日! ファミリーコンサートから未放送曲を集めた「春特集〜コンサートから(2)」が放映された後、12代目うたのお兄さん・花田ゆういちろうとの新旧お兄さんの交代の挨拶が行われる。
大フィーバーとなった「かぞえてんぐ」最終回
28日(火)には、だいすけお兄さんが演じる人気キャラクター「かぞえてんぐ」が最後の出演を行った。ツイッターのタイムラインには惜しむ声が溢れかえり、「かぞえてんぐ」は見事にトレンド入りしていた。
かぞえてんぐとは、毎回異常なテンションで子どもと一緒に物を数え、数え終わると恍惚の表情で長い鼻の先から花を咲かせたり、いろいろなものを出したりする天狗のキャラクター。とある新聞記事には「『これ、子供番組で大丈夫?』という危なげなキャラクター」と書かれていた。ミーニャを呼ぶときの「ねこちゃ〜ん」という声色もヤバかった。
28日はテーマ曲「かぞえてんぐがやってきた」を最初で最後のオンエア。ラストでうちわをそっとステージに置き、振り向いて消え去る姿が「山口百恵へのオマージュか?」「山口百恵の名前にも数が入っている!」と話題を集めた。15日に放送された通常回の最終回での「ハンカチはいらないぞ! 涙の数を数えるからさ」というセリフもイカす。
余談だがアメリカの教育番組『セサミストリート』には、同様に数を数えるのが大好きなカウント伯爵という吸血鬼キャラがいる。吸血鬼や天狗などの怪異にものは数を数えるのが大好きという伝承は世界中にあり、かぞえてんぐの元ネタになったと考えられる。
かぞえてんぐの最終回であのフィーバーぶりだったわけだから、だいすけお兄さん本人の卒業となれば、さらにヒートアップするのは間違いない。ツイッターのタイムラインが焼き切れないか心配だ。
メロディーよりもまず詞を届ける
うたのお兄さんは大変な仕事だ。いくつもの「掟」があるという噂もあるが、それは別にしても、あらゆるタイプの曲を歌い、曲にあわせて踊り、子どもたちの相手をして、さらにコンサートやミュージカルで日本中をかけめぐらなければならない。これをだいすけお兄さんは9年も続けてきたのだ。よく知られていることだが9年は歴代最長である。
曲のタイプもさまざまだ。さだまさし、中西圭三、岸谷香、斎藤ネコ、知久寿焼、遊佐未森、小宮山雄飛、ポカスカジャン、久住昌之、バンバンバザール、金城綾乃(Kiroro)、佐藤良成(ハンバートハンバート)……。作曲者のクレジットを見れば、曲のバラエティ豊かさは一目瞭然。これらの曲を歌のおねえさんと2人で歌いこなさなければいけないのだ。国立音大卒、劇団四季にも在籍しただいすけお兄さんのキャリアは伊達ではない。
さらに、ただ上手く歌えばいいというわけではない。だいすけお兄さんは2月に行われた卒業会見で次のように語っている。
「自分が大切にしたのは『うたのお兄さん』になった時に先生に言われた『詞を子ども達に届ける。メロディーよりもまず詞を読み込んで届ける』。おかあさんといっしょの歌はシンプルな言葉が多いが、子ども達が聞いて素直に笑えるようにと心に決めて歌いました」(スポーツ報知)
先生とは作曲家の福田和禾子のこと。「はじめてはじめまして」など数多くの曲を『おかあさんといっしょ』に提供するほか、歌唱指導やオーディション選出にも携わっていた。だいすけお兄さんがレッスンを受けたのは2008年のことだが、その年の10月に福田さんは病没。それ以降、だいすけお兄さんは先生の教えを忘れず、「あたたかさや楽しさ、ことばのもつ色やニュアンスを歌で表現できるようにと心がけています」(『NHKのおかあさんといっしょ』15年2月号)と語っている。
だいすけお兄さんのラストメッセージは?
はたして、だいすけお兄さんは卒業にあたって、全国の子どもたちと親たちにどのようなメッセージを残すのだろうか?
筆者にも5歳の娘がいるのだが、0歳の頃から5年間にわたって、だいすけお兄さんの歌を聴き続けてきた。娘は『アナ雪』や星野源やピコ太郎にもハマっていたが、間違いなく一番たくさん曲を聴いたボーカリストはだいすけお兄さんだ(二番はたくみお姉さん)。そういう子どもは全国に無数にいるし、そういう子と一緒にだいすけお兄さんの卒業を見守っている親も全国に無数にいる。
ファミリーコンサートのラストで緞帳が下がるとき、だいすけお兄さんをはじめとするキャストたちがステージに這いつくばって子どもたちに手を振り続ける姿をよく目にした。最後の一瞬まで子どもたちに手を振りたいという気持ちの表れだろう。きっと今日も、最後の最後まで子どもたちのことを想ったメッセージを送ってくれるはずだ。
ちなみに31日に放送されるのは「春特集〜ファミリーコンサート ミュージカル〜」。内容は体操のお兄さん・小林よしひさをフィーチャーした「天才よしナルド・大ピンチ!」だが、もちろんだいすけお兄さんも出演する。そして4月1日(土)にはだいすけお兄さん最後のステージ「ファミリーコンサート益田公演」が放映される。だいすけお兄さんの笑顔と歌声を目と耳に焼きつけよう。
(大山くまお)