マサカリ、サブマリン、トルネード・・・。日本のプロ野球でも、いろんなピッチングフォームが開発されたが、お隣韓国のプロ野球では、いま「キャベツ投法」が大きな話題になっているという。

 ことの発端は、先月19日に行われた斗山(トゥサン)と韓化(ハンファ)の一戦。斗山の朴ミョンファン投手がキャッチャーめがけてボールを投げ込むと、勢い余って帽子もズレ落ちた。すると、一緒に何かがボトリと落ちたのだ。それはなんと、シャリシャリに凍ったキャベツの葉っぱ。

 誰もが驚いたものの、とくに審判や相手チームから抗議が出ることもなく、そのまま投球を続けて、7回まで無失点。結局シーズン9勝目を飾ったのだった。しかし、勝ってしまったのがいけなかった。翌日になり「キャベツ投球」は、「投手が異物を身に付けたり持っていれば、直ちに退場させる」と明示した野球規則8.08(b)項に該当すると、相手チームから抗議の声があがったのだ。

 当の朴ミョンファン投手は、「暑さをしのぐために使っただけで、不正投球のためではない」と反論。韓国野球委員会(KBO)も急遽、規則委員会を開き、対応を協議したのだった。そして、下された判定は、「冷凍キャベツを異物とみなし、これからは禁止する」というもの。この結論に対して、朴ミョンファン投手も「そもそも、これからは使わないつもりだった」と涼しい顔。こうして、韓国プロ野球を騒がせた「キャベツ投法」騒動は、幕を閉じたという。

 そこで気になるのは、日本のプロ野球で「キャベツ投法」をしたら、どうなるのか? ということ。 早速、(財)日本野球連盟に問い合わせてみた。

 「実は、大きく報道される前日、韓国から問い合わせの電話があったんですよ。日本の見解を聞きたいということでした。そのときも同様にお答えしたのですが、確かに投手の不正投球を防ぐために、異物を持ったり、身につけたりしてはいけないことになっています。しかし、その規則の精神は、あくまでボールに何らかの手を加えて、不正な投球を防ぐためのものです。今回の場合は、暑いからキャベツを頭に乗せていたということだけですよね。ボールにはノータッチ。従って、その精神に則れば、野球規則で罰することは難しいと思いますよ」

 どうやら「好ましくはないが、罰することはできない」グレーゾーンのようだ。話題の交流戦も終わったし、日本でも誰かが試してくれると、盛り上がったりするのかも。

 どうですか? 投手のみなさん。(文/verb)