「2000枚写真を撮った」充実のオフ過ごしたイ・ボミが米合宿で見据えること
ディズニーランド、グアム…3年連続女王へ充実オフ過ごしたイ・ボミ
2年連続賞金女王のイ・ボミがついに米ツアー合宿に向けて、15日に韓国の仁川空港を飛び立った。
例年通り、アメリカ・カリフォルニア州のパームスプリングで約5週間の合宿を敢行する。いよいよ本格的な合宿に突入するわけだが、イ・ボミにとってここまでのオフはとても充実したものだったようだ。
昨年12月に韓国の京畿道水原でイ・ボミに会ったとき、オフをどのように過ごすのかと聞くと、笑顔でこう話していた。
「東京で甥っ子たちと東京ディズニーランドに行く予定がありますし、大会の副賞でもらったグアム旅行も計画しているんです。あ、これ絶対に言わないでくださいね。これ書かれたら誰かが追ってくるかもしれないじゃないですか(笑)」
イ・ボミのインスタグラムを見ると、確かにディズニーランドで楽しく過ごす様子がアップされていたし、姉妹や友達とグアムを満喫する姿が見られた。妹のボベさんと2人で水着姿の写真をアップするほどで、楽しい思い出をたくさん作っていた。
昨年は賞金女王という肩書きをひっさげ、大きな重圧のなかで戦っていたイ・ボミは、連日続く試合で家族と過ごす時間はものすごく限られていた。そんななかでの休日は、イ・ボミにとってすごく大切な時間だった。
「2000枚くらい写真を撮った」
イ・ボミが韓国を発つ前、東亜日報の取材では「休みの間は少しだけゴルフを忘れました。昨日、グアムから帰ってきたのですが、楽しい休日でした。4姉妹中、3姉妹が旅行に行ったのですが、たぶん2000枚くらい写真を撮ったと思います(笑)」と話しており、充実したオフを過ごしたことがうかがえた。
楽しい休みも終わり、新シーズンに向けて本格始動したイ・ボミ。東亜日報のチュ・ヨンロ記者の記事によれば、5週間のアメリカ合宿で今の自分に足りないものを補う練習に重点を置く予定だという。
「スイングなどで変える部分は特になく、むしろ鈍った感覚を取り戻すことに重点を置きたい。体力トレーニングにも時間を割きたいです」(イ・ボミ)
実は昨年、専属キャディの清水重憲氏もこのアメリカ合宿に参加した。現地での練習スケジュールを聞きいたとき、びっしりと詰まった1日で、とても驚いたのを記憶している。今年はどのような内容で練習を行っているのかはまだ始まったばかりで聞けていないが、去年に清水氏から聞いた話を参考にするとこうだ。
合宿する場所は、正確に言えばパームスプリングスの隣町のインディオ。練習は「ゴルフクラブ・アット・テララゴ」というゴルフ場で行っている。そこは砂漠の中にゴルフ場があるというロケーションで全36ホールある。カートは自由に使えるので、体力的にはまだ楽なほうだろうか。ただ、清水氏いわく「本当にゴルフしかすることがない環境」だという。
昨年も1日のスケジュールがびっしりだった合宿
そこに専属コーチのチョ・ボムス氏と『チョ・ボムスアカデミー』に通うアマチュアの生徒たちが待っている。イ・ボミもそこでプロもアマも関係なく、一緒に練習をする。それは今年も変わりない。昨年のイ・ボミの合宿の1日のスケジュールもびっしりだった。
「そこでは韓国人ゴルファーだけが練習しています。1日のスケジュールは、朝7時半くらいに集合してゴルフ場に向かい、着いたら食事をして8時半くらいから始動します。午前中はショット練習をして午後からコースを回るパターンか、逆に午前にラウンドして午後に練習というパターンもあります。
一般のお客さんもいますし、他のチームもいるので、その兼ね合いで変わります。練習もずっと球打ちの時もあれば、アプローチパターも含めた練習の時もあります。毎日少しずつ変わります。午後4時から5時半くらいまではトレーニングです。土曜日が休みなので、日曜日から金曜日まではだいたいそんなスケジュールです」(清水氏)
昨年の話とはいえ、今年も同じ場所で練習するということは、基本的に似たようなスケジュールで練習が行われるに違いない。
ただ、イ・ボミだけは自分の弱点を補うトレーニング優先でスケジュールをこなすことになる。すでに専属トレーナーの渡邊吾児也氏も現地入りしており、準備は万端だ。特に今年は新しいクラブ調整に力を入れている。実は昨年末、イ・ボミはこんなことを話していた。
トレーニング同様、重要となるクラブ調整
「3月の日本ツアー開幕戦の前に行われる米ツアーのホンダLPGAタイランドに推薦をもらえれば出場したいと思っています。日本ツアー初戦を前に、実戦で新しいクラブを使ってどれくらい戦えるのかを試してみたいとも思っているんです」
心機一転、本間の新しいクラブセッティングでシーズンを戦い抜くためにも、入念なクラブ調整が必要なわけだ。ただ、「タイでの試合は諦め、日本ツアーが初戦になる」(チュ記者)とのこと。
アメリカ合宿の目的は、さまざまなトレーニングだけではなく、クラブテストも兼ねているわけだ。去年のオフ、清水氏はこんな話をしていた。
「基本的には(ボミの)クラブセッティングが大きく変わることはないのですが、距離が出るものをテストしたり、打ってみて打ちやすいと思ったクラブが実際に試合で使えるか、使えないかをラウンドして、試合を想定しながら回っていきます。そうすると、やっぱり練習場と試合とでは感想がまったく違ったりするんですよ。だからこのオフはとても大事なのです」
トレーニングだけでなく、入念なクラブ調整は今年ももちろん同様だろう。3年連続賞金女王に向けたイ・ボミの戦いはまだ始まったばかりだ。
金 明碰●文 text by Myung-wook Kim