「ミロにはいつも信頼を置いてきた。だから、我々のチームに加わってくれると聞いたときは、本当に嬉しかったよ。一緒にトレーニング場に立つだけじゃない。テレビやビデオで対戦相手を分析する際などにも、ミロには期待している」
 
 11月11日のロシア・ワールドカップ予選(対サンマリノ)と、15日の親善試合(対イタリア)を控えるチームに早くも帯同予定のクローゼが、現役時代のように輝かしいコーチングキャリアを築けるかは分からない。
 
 近年のブンデスリーガで成功を収めたドイツ人指導者を見渡しても、ドルトムントのトーマス・トゥヘルやホッフェンハイムのユリアン・ナーゲルスマンのように選手としての経験が浅い人物が目立つ。
 
 レーブも現役時代は大きな脚光を浴びる選手ではなかった。ただ、その智将は「ミロが監督になるのを想像できる」と太鼓判を押している。謙虚な人柄でも知られた性格などを考えれば、ユルゲン・クロップやディエゴ・シメオネのような闘将ではなく、それこそレーブのような闘志を内に秘めた智将になるのではないか。
 
 新たな扉を開いたクローゼのセカンドキャリアからも目が離せない。
 
文:遠藤孝輔