改札出たら焼肉が香る！ 大阪・鶴橋のタレ焼肉厳選５軒
大阪の焼肉のキモがタレであるならば、この鶴橋を訪れないワケにはいかない! ということで、このエリアで不動の人気と伝統を誇る5店舗を徹底取材!
梅田や難波から電車で約10分。近鉄、JR西日本、大阪市営地下鉄の3路線が乗り入れており、乗換で利用する人も多数。韓国の流れを焼肉文化が発展したとか
ホームを降り立った瞬間、そこは焼肉天国!
大阪の焼肉といえば「タレ焼肉」が主流だが、その「タレ焼肉」の発祥がここ、鶴橋だ。昭和23年創業の『鶴一』の初代の母親が、焼立ての肉でやけどしないように、お肉の熱を冷ますためにタレに浸して食べたことが「つけダレ」の始まりで、次第にほかの焼肉店にも広まり、鶴橋スタイルとして根づいたという。
「バラすき」￥880は、柔らかな肉質と甘みをすき焼き風に味わえる逸品
厚切り肉が肉ラバーの胃袋をつかむ駅前の老舗『アジヨシ総本店』
鶴橋
理想的な熟れ具合の肉を見極め、手作業で解体をして、一つひとつ丁寧にカットして提供するスタイルを守り続ける、創業50余年の老舗焼肉店。安い店が多い鶴橋ではやや価格設定は高めに感じるが、厚切り肉とその量を見れば納得。肉質も並みのロースがよその上ロースのクオリティだ。
高いといっても、特選メニューのハネシタ（￥1,450）、ミスジ（￥1,480）など、東京の有名店に比べたらそれでもリーズナブルに感じるはず。シェアして楽しめ、結果的にコスパがよいのが『アジヨシ』の魅力だ。
「バラすき」
「バラすき」
シン￥1,480は、クラシタロースの顔ともいえる部位。味と柔らかさはロースの中でもトップクラス。ハネシタ￥1,450は、サシよし、味よし、はずれなしのロースの三冠王!
カルビの骨まわりの部位、ゲタ￥900は噛むほどに旨みが沁み渡る逸品
左.韓国・大邱の郷土料理「どじょう汁」や手打ちの冷麺など、サイドメニューも絶品ぞろい
右.店長の松葉さん
外観
産地は指定せず国産の良質な肉を仕入れる
秘伝の「生ダレ」にリピーターが続出!!『大吉』
鶴橋
「いい肉が美味しいのは当たり前。その美味しさをいかに引き出し、わざわざ出かけなければ食べられない味を作るのがプロの腕の見せどころ」と語る店主。その『大吉』の美味しさの決め手が「生ダレ」だ。
熱処理はせず、防腐剤も使わないタレは2種類の醤油がベースで、隠し味に酢を2種類合わせている。あっさりしているけどコクがあり、サシの多い肉でもすいすい食べられてしまう絶妙なバランスが、食べる人を虜にしてしまうのだ。門外不出のレシピで作る自慢のタレ焼肉をぜひ。
肉の脂で旨みが増したつけダレをかけた即席肉丼
メニューに「上」がつく肉は生でも食べられる質のよさ。上ロース￥1,600、上バラ（カルビ）￥1,400
左.名物の参鶏湯（￥1,800）も必食
右.二代目店主の大村英士さん
外観
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味、雰囲気、価格の3拍子がそろった超人気店『焼肉ホルモン 空 鶴橋総本店』
鶴橋
週末ともなると軒先にできる長蛇の列は、もはや鶴橋の名物。“目方も値段も他店の半分”で知られる『空』の魅力は、なんといっても肉の鮮度とレパートリーにある。もんで炊いて洗ってと丁寧に下処理された牛のホルモンは約30種近くそろい、ハギシ（アゴ肉）やプップギ（肺）など関西ならでは部位も味わえる。
女将いわく「いろんな種類をたくさん食べてほしい」から、肉の量は控えめにしてひと皿ほぼ350円〜800円と低価格に設定。昭和の雰囲気残る店内で、小さなロースターと対峙するのもまたオツというもの。鶴橋の味と雰囲気をお腹いっぱい味わいたいなら、『空』に行けば間違いない。
独特のプルンとした食感と柔らかさは新鮮だからこそ
自家製のつけダレはまろやかであっさり。最後まで飽きずに焼肉を楽しめる
その柔らかさに驚愕するハチノス（￥450）は、必ず頼みたい一品
ホソ（￥450）は小腸にあたる部位で脂たっぷり
創業40年の味と看板を守る、二代目女将の金山真紀さん。明るくチャーミングな笑顔に元気をもらえる、鶴橋の名物女将のひとり
大槻編集長もぞっこん!
鶴橋の焼肉文化を生んだ、つけダレ発祥の店『鶴一』
鶴橋
つけダレ発祥の店として知られる、昭和23年創業の『鶴一』。そのつけダレは、いりこ出汁ベースでそのまま飲めるほどあっさり。焼いた肉をつけダレで洗うようにして食べると、風味がまろやかになり肉の甘さが際立つ。
主役の肉は国産牛にこだわり、サシやスジの入り方を入念に見極める。ハラミやカルビなどの味わいの濃い肉は、タレとのバランスも考えながら厚切りかつ大きめにカット。歯ごたえのあるホルモンも評判だ。肉好きならば、鶴橋の焼肉文化を生んだ元祖の味をぜひ味わってほしい。
人気の骨付きカルビ￥1,750と上ハラミ￥1,200
鶴橋でホルモン焼きを始めた元祖でもある『鶴一』。ホルモンミックス￥2,200は、テッチャン、キモほか5種盛り
「元祖つけダレの焼肉をぜひ食べに来てください」（大久保店長）
外観
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いい肉は香りも段違い
「極上肉」にとことんこだわるガード下の名店『炭火焼肉大倉』
鶴橋
扱う肉は国産牛の特選A5・9等以上のみで、産地や銘柄は指定せず、その日一番いい牛を一頭買い。冷凍肉は一切使わず、その日さばいた生肉だけを提供する。「納得のいく牛が入らない日は店を閉める」ほど、肉へのこだわりが半端ではない。
不必要な脂を丁寧に除いた肉は、完全に肉の“身”だけを味わえ、スッと旨みが広がる。炭とタレの香りが鼻に抜け、飲み込んだあとも口に残る甘い余韻はまさに口福。名物女将にテキパキと世話を焼かれつつ食べるのも、『大倉』の魅力であり醍醐味だ。
つけダレは醤油とレモンの爽やかな味わい
ハラミ￥1,600。特上や上ハラミとして扱われるサガリを使用
左.「炙り月見ロース」（時価）を半熟卵と一緒に乗っけた極上のTKG!
右.女将の大倉久子さん
外観
ホソ（小腸）。いわゆるホルモンだが、大阪ではこの名称が一般的
［関西にしかない!? こんな部位、ご存知?］
テール、ハート、黒ハチノス、カル�爛�〞などなど……。関西の焼肉店では、東京ではお目にかかれない名称を見かける。テールなどはスープに使われるが、大阪の一部店舗ではそのまま焼きで食べることもしばしば。
また、ハートはそのままハツ（心臓）のように、呼び名だけが変わる場合もある。大阪はホルモン焼きの本場でもあり、こだわりも相当。ぜひ見たことのない部位にチャレンジしてみて!
黒ハチノス。あまり店頭でもお目にかかれない部位。独特の風味
テール。意外に肉付きもよく、好む人も多い。関西ならではの部位
