高校野球3試合観てから社会人野球も…7月の野球記者の激務がすごい!

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今年も「夏」がやってきた。6月26日に沖縄県大会が開幕、その他の各都道府県大会も順次開幕し、甲子園に向けた戦いが本格化している高校野球だが、今、選手たちから絶大な支持を受けているウェブサービスをご存知だろうか。

「高校野球ドットコム」は、全国各地で行われた試合の速報や観戦記、選手名鑑など、充実したコンテンツを武器に、高校野球報道の分野で一気に台頭。選手やその保護者、指導者など高校野球関係者なら知らない人はいないほど認知を誇る。

今回はこのサイトを運営するWood Stock株式会社(以下、ウッドストック)にお邪魔して、編集長の安田未由さんに「高校野球ドットコム」の新しい取り組みについて聞いた。

――「高校野球ドットコム」を運営するウッドストックは「高校野球ドットコム」や「社会人野球ドットコム」などのメディア運営以外のところでも野球に関する様々な活動をされていますよね。以前は「サムライサンディエゴ」という野球チームをアメリカで運営されていたとか。安田: アメリカは6月から7月が大学野球のシーズンオフで、その期間に練習がない大学生が参加するサマーリーグがあるんです。プロのスカウトも見に来るようなリーグなんですけど、そこに日本人だけでチームを作って参戦しました。アメリカではMLBで活躍する多くの選手がサマーリーグを経験しています。

――夢のある話ですね!安田:球団運営ということで言えば、現在は四国アイランドリーグplusの徳島インディゴソックスの運営に関わっていますし、リーグ自体の運営にも携わっています。

四国アイランドリーグplus はNPBの球団にドラフト指名される選手も多いですし、今年も売り出し中の選手がたくさんいるのでぜひ注目してください。

――新しい試みとして、ポッドキャスト番組の「ドラフトチャンネル」が始まりましたね。出演されている河嶋記者の知識量には驚かされました。安田:「ドラフトチャンネル」は弊社の記者が出演して、現場で見た生の高校野球情報やドラフト関連の情報を発信しています。河嶋は毎年300試合以上を見ていますし、野球の技術面にも強いので適役だと思っています。

高校野球やドラフトを専門に扱う番組はこれまでになかったと思いますし、ぜひ聴いてみていただきたいですね。

――今年も地方大会が始まりました。「高校野球ドットコム」として注目している学校はありますか?安田:この夏、高校野球ドットコムで注目しているのは、長崎の大村工業と、広島の広島商業です。大村工業は、春県大会優勝校で、九州大会ベスト8の高校です。バレー部の顧問の先生とも仲が良いようで、バレーの戦術面も少し取り入れてみたりとユニークなチームです。打撃力も高いのでこの夏の注目校の一つです。広島商業は、古豪としても有名ですが、今年の夏も力はありますね。特に注目は、左のピッチャー水澤天投手とショートでキャプテンの河内愛哉選手。今年の広島大会は混戦ですが、十分チャンスはあると思います。

――これまで高校野球を見てきて、印象に残ったシーンがありましたら教えていただければと思います。安田:夏の大会後の監督さんの言葉は印象に残っているものが多いです。ただ野球を見ているだけだと、監督の心の裡まではわかりにくいのですが、取材をすると、そうした心情について話してくださったりします。

たとえば、夏の大会で選手がいいプレーをすると、みんな笑顔でベンチに戻ってきますよね。「そうやって選手を笑顔にさせてあげることが自分の人生の喜び」という監督さんもいましたし、地区予選決勝で負けてしまって選手が泣き崩れている時に「こんな結果にしたのは全部自分の責任なんだ」と言って、周囲からは冷酷に思われているような監督さんも、人情味のある言葉を残してくれました。勝ち負けの裏にある監督さんの心情が出た言葉は忘れられないものがあります。

――毎年地方大会の時期になると編集部は多忙を極めるとお聞きしました。どんな感じか教えていただきたいです。安田:毎年7月はどの都道府県でも地方大会をやっているので、この1か月が一番忙しくて、気持ち的には24時間稼働しているみたいな状態になります。ただ、辛いというよりは、ランナーズハイみたいな感じで、だんだん楽しくなってくるんですよ。編集部は野球好きの集まりですから、この期間は毎日がお祭りみたいです。

それと、7月は社会人野球の都市対抗もあるので、高校野球を3試合観てから東京ドームに移動して都市対抗も観て、という日もあります。

各地区の代表が決まって甲子園がはじまると、一旦仕事は落ち着くので、今度は8月下旬のU18の国際大会に向けて準備をする、という感じです。

――「社会人野球ドットコム」や「独立リーグドットコム」の方も、編集部のメンバーは「高校野球ドットコム」と同じですか?安田:そうですね。アマチュア野球はドラフトがどうしてもかかわってくるので、大学野球も観に行きますよ。

――最後になりますが、高校球児の方々にメッセージをお願いします。安田:いつも「高校野球ドットコム」を見ていただき、ありがとうございます。今年の夏も連日、観戦レポートやコンディショニングに関するコラムなど多くの記事を配信していきますので、ぜひパソコンやスマートフォンからアクセスしてみてください。 (取材・記事/山田洋介)

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