日本人、女性含む7人が犠牲に 「バングラ」テロにネットで追悼の声相次ぐ
バングラデシュの首都ダッカで発生した人質立てこもり事件について、菅義偉官房長官が2016年7月2日夜に記者会見し、日本人計7人の死亡を確認したと発表した。
インターネット上には追悼の声が相次ぐとともに、武装組織への怒りの声が上がっている。
安倍首相も「強い憤りを覚える」
菅氏によると、日本時間2日21時40分ごろ、日本大使館関係者が遺体の搬送された病院で確認した。亡くなったのは男性5人と女性2人。写真や所持品などから、JICA(国際協力機構)関連の仕事をしていたことが分かったという。
菅氏は「痛恨の極みであり、残念至極」と述べ、武装組織に対しては「残虐非道なテロで罪のない方々の命が奪われ強い憤りを覚える。断固として非難する」とした。
安倍晋三首相も3日午前、記者団に対し「痛恨の極みだ。許しがたいテロで、強い憤りを覚える」と述べた。政府は3日にも政府専用機で被害者の遺族らを現地に送る方針だ。
事件は1日21時ごろ(日本時間2日0時ごろ)に発生。飲食店に過激派組織IS(イスラム国)と関係があるとみられる武装組織が侵入し、日本人を含む30余人を人質に立てこもった。2日朝(日本時間11時ごろ)に治安部隊が突入し、日本人1人を含む人質13人が救出された。
JICAの北岡伸一理事長は2日19時前から記者会見を開き、日本人7人の安否が依然確認できていないことを明らかにしていた。事件に巻き込まれた8人は、バングラデシュの交通渋滞を解消するためのプロジェクトの参加企業から派遣されていたという。
バングラデシュでは15年10月にも日本人が殺害される事件があった。また、16年6月はISの設立2周年にあたる。さらにラマダン(断食月)明けという危険なタイミングでもあった。北岡理事長は、3日未明に行った会見で「できるだけの注意はしたつもりだった」と述べ、悔しさをにじませた。
7人死亡の報を受け、インターネット上には追悼の声が相次いでいる。同時に「最悪の結果になってしまった...」「どのようにして殺されたかと思うと絶句する」「犯人は見境のない獣じゃないか」などと怒りの声が寄せられている。