明大中野八王子vs青山学院
先発・吉岡隼(明大中野八王子)
4月5日に府中市民球場で行われた2回戦の第3試合は、明大中野八王子と青山学院の対戦。チーム作りに定評のある両チームの対戦となったが、結果は意外にも7回コールド。10対2で明大中野八王子が勝利することとなった。
だが意外にも明大中野八王子の椙原 貴文監督は試合後、こう振り返った。「怖さしかなかったです」
明大中野八王子は1回裏、犠牲フライで1点を先制するものの、すぐその次の2回表に6番・中村 柊斗、7番・永嶋 吾郎の連続タイムリーで2点を奪われ、青山学院に逆転を許していた。4回裏、犠牲フライで同点に追いつくものの、青山学院の好守の前に、いまいち流れに乗り切れないでいた。
だが5回裏、ヒットで出塁した1番・清水 海地を2番・遠田 昂太郎のタイムリーツーベースで還し勝ち越しに成功すると、この回打者12人でヒット8本を固め打ち。エラーや細かいミスも重なりこの回8点を奪うことに成功。10対2と一気に試合の主導権を握った。
これだけ点差が開いても怖さを感じていたというのはどういうことなのだろうか。「とにかく初戦ということでこちらの動きが硬かった。相手は1つ勝ってきているということで当然勢いもある。それでなくても青山学院さんは良いチームだし、いつやられるかという怖さをずっと感じていました」(明大中野八王子・椙原監督)
先発・小池豪(青山学院)
最終的な点差こそ意外なほど離れたものの大きな力の差は感じられなかったというのは、実際に戦っているからこそひしひしと感じたのだろう。差が開いてしまった要因、大量8点を失った5回は、青山学院にとっては、打球がベースに当たるなどアンラッキーが重なった部分もある。それで集中力が途切れてしまったところもあるだろう。「それも含めて力がないということ。夏までにまた精度を上げていかなければ」と安藤 寧則監督は悔しそうに語ったが、どのチームにも起こりうることだと言える。
明大中野八王子も、先発の吉岡隼が2回に失点した後の3回、先頭の友清 慶啓にツーベースを打たれ、ずるずると行きかねない流れもあった。だが、続く打者をピッチャーゴロに打ち取ると、盗塁を試みた友清を女房役の武田が三塁で刺し、ピンチを脱出。するとその後立ち直った吉岡は、6回二死から四球を出すまで1人のランナーも許さなかった。「背番号1を付けていますからね。試合は作ってくれました。」と椙原監督も語ったように、エースとバッテリーがひとつ流れを断ち切ることが出来たのは大きかった。
恐々ながらも勝ったことは事実。次なる3回戦に臨むこととなる。椙原監督は「今日以上のもの、自分たちの力を出していくことです。それが出来なければ勝てないと思います。今日、私たちも試合をして1つ勝つことが出来た。その勢い、自信を力に、信念をもってやってきた野球を出したいですね」と意気込みを語った。自分たちの力をさらに発揮すべく挑む次戦は7日、明治神宮第二球場で八王子と対戦することが決まっている。
(取材・写真=青木 有実子)
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