【ファンキー通信】ホンダと大豆の意外なカンケイ?
日本が世界に誇る自動車メーカー、ホンダ。自動車の性能はもちろんのこと、ホンダスピリッツと呼ばれる、常に新しいことにチャレンジする社風に惚れ込むファンも多い。でも、そんなホンダが、大豆の販売をしていることはあまり知られていない。
自動車と大豆。ふたつは、あまりにもかけ離れているので、想像できないとしても無理はない。でも、そこにはちゃんと理由があるのだ。
80年代初頭。ホンダは、アメリカに自動車工場を造る計画を進めていた。部品などを日本から輸出して、現地で組み立てる工場だ。場所はオハイオ州が選ばれた。順調に動き出したこの事業だったが、ひとつ課題があった。それは、日本から自動車の部品を積んでやってきた船に、何を積んで帰るのか。空っぽのまま日本に船を帰してはもったいない。せっかくなら何かを積んで帰ったほうが効率もいい。
そこで、目をつけたのが大豆だった。オハイオ州は大豆の産地。しかも、輸送にかかるコストも問題ない。現地産の大豆を大量に購入し、それを船に積んで日本に帰ることにしたのだ。
しかし、話はそれだけで終わらない。グループ会社のホンダトレーディングが本気で大豆事業に乗り出したのだった。自動車工場の隣に、アメリカ初となる食品大豆専用選別工場を建設。そして、大豆の種子を自社で開発し、契約栽培することで、高品質かつ安全な大豆を生産することに成功した。
収穫量もうなぎ登り。93年には、1500トン程度だったが、今年は1万9000トン。そして、来年には2万4000トンの収穫を見込んでいる。国内の豆腐屋さん、豆腐メーカーにも大豆は逆輸入されている。船の空きコンテナを利用した小さな事業が、いまでは大きなビジネスへと変貌したのだ。自動車のホンダが、「大豆のホンダ」として認知される日も近いのかもしれない。(文/verb)
自動車と大豆。ふたつは、あまりにもかけ離れているので、想像できないとしても無理はない。でも、そこにはちゃんと理由があるのだ。
80年代初頭。ホンダは、アメリカに自動車工場を造る計画を進めていた。部品などを日本から輸出して、現地で組み立てる工場だ。場所はオハイオ州が選ばれた。順調に動き出したこの事業だったが、ひとつ課題があった。それは、日本から自動車の部品を積んでやってきた船に、何を積んで帰るのか。空っぽのまま日本に船を帰してはもったいない。せっかくなら何かを積んで帰ったほうが効率もいい。
しかし、話はそれだけで終わらない。グループ会社のホンダトレーディングが本気で大豆事業に乗り出したのだった。自動車工場の隣に、アメリカ初となる食品大豆専用選別工場を建設。そして、大豆の種子を自社で開発し、契約栽培することで、高品質かつ安全な大豆を生産することに成功した。
収穫量もうなぎ登り。93年には、1500トン程度だったが、今年は1万9000トン。そして、来年には2万4000トンの収穫を見込んでいる。国内の豆腐屋さん、豆腐メーカーにも大豆は逆輸入されている。船の空きコンテナを利用した小さな事業が、いまでは大きなビジネスへと変貌したのだ。自動車のホンダが、「大豆のホンダ」として認知される日も近いのかもしれない。(文/verb)