乱れてしまったバックアップのカバー

 試合後、敗者のお立ち台に立った釜石の佐々木偉彦監督は、「何もできませんでした。中盤以降に勝負したかった。打たれるとは思っていましたが、守りきれませんでした」と絞り出すように感想を語った。

 被安打19、失点9、失策2。1回戦で小豆島を1失点に抑えたエース・岩間 大(3年)が滋賀学園打線に捕まっての完敗だった。

 先頭打者の打球をエラーした所から始まった初回の2点。二死走者なしから連打を浴びた2回の1点など完敗に繋がった要素はたくさんある。ただ、何よりも悔しいのは4回に失った3点。バックアップのカバーが遅れ、送球が逸れた所には誰もいないという状況が何度かあった。「練習不足だったと思います。常に自分たちの日々の練習から試合と言ってやってきた。そういうところをこれから欠かさずやっていきたい」と話したのは守りの司令塔であるキャッチャーの大尻 悠矢(2年)。佐々木監督も、「普段からバックアップを意識してやってきたのですが」と課題を痛感した様子だった。

 それでも、今大会2試合で得られた経験は大きい。4月に入学してくる新1年生を加えて、夏へ向けての挑戦が始まる。主将の菊池 智哉(3年)は、「この甲子園に来られて、プレーのスピードの一つ一つであったり、それ以外の生活のスピードなどを経験することができた。それを1年生たちに伝えて、スピーディーな試合が自分達の武器になるようにして、夏また甲子園に来られるようにやっていきたい」と次の大きな目標へ向けての決意を語った。

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