日本でも3組に1組が離婚する時代になったが、ストレスがたまり、命の危険も高まるようだ。離婚すると脳卒中になるリスクが約3割増えるという研究を大阪大学の本庄かおり特任准教授らのチームがまとめ、米心臓学会誌「ストローク」(電子版)の2016年3月1日号に発表した。

離婚して仕事のない女性の脳卒中は3倍に

チームは国立がん研究センターが保存している全国保健所健康データを利用、調査開始時点で結婚していた男性2万4162人と女性2万5626人を対象に、5年後の婚姻関係(離婚したかどうか)と脳卒中の発症の関連を追跡調査した。

その結果、離婚した人は、離婚していない人に比べ、脳卒中になるリスクが男女とも26%高かった。特に離婚した後、仕事のない女性(登録データ上は『無職』)では発症リスクが3倍近い298%にも高まった。そのほか次のことがわかったという。

(1)離婚後、子どもと一緒に住んでいる人は、男女とも脳卒中リスクが高い。
(2)離婚後、男性は両親と同居するとリスクが緩和するが、女性ではそのような効果がない。

離婚によるストレスは、女性の方に多くかかるようだ。米国の調査でも同じような結果が出ている。2015年4月、米デューク大学が発表した研究によると、離婚歴1回(バツ1)の女性が心筋梗塞を起こすリスクは、離婚していない女性に比べ24%増だった。バツ2になると77%増に跳ね上がり、その後再婚しても36%増で高止まりのままだ。

ところが男性では、バツ1では離婚していない男性に比べ、リスクは全く変わらなかった。バツ2の場合にのみ30%増にあがっていた。