クレームの嵐で沈没「仕入先へのNG言動」ワーストランキング13
仕事メールに顔文字、会議中のケータイ、ご馳走してもお礼なし。この中で最もバカにされるのはどれ?上司や部下など社内の人、お客様や協業パートナーなど社外の人。それぞれの相手からバカにされる振る舞いがわかった!
マナー研修などでもよく言っていることだが、気遣いや根回しというのは上司や先輩ではなく、むしろスタッフ、業者さんにこそ必要だ。たとえば住宅の販売などは、営業だけでは何もできない。設計スタッフ、現場監督、大工さん、クロス屋さんなどがいて、アフターメンテナンスをしてくれないと、営業がいくらうまく商談を進めても回らなくなる。
だから1位の「挨拶」を自分からするのは当たり前だし、2位「『オレのほうが上』という態度で接してくる」なんて論外だ。この2つをやっていたら、何かあったときに協力してもらえず、一気にクレームの嵐となり、沈没する。
3位「締め切りを守らない」というのは単に無能な場合もあるが、相手が下請けだから少しくらいいいやと思っている場合がある。後者は本当に愚かな行為といえる。バレていないつもりでも、相手はあなたの言動の端々からそうした上から目線の意識を敏感に感じ取っている。調査からは、とくに女性のほうがそうした傾向にあることが読みとれる。十分すぎるほど気をつけなくてはいけない。
4位「無理なお願いをしておいてお礼をしない」というのも気をつけたい。ちょっとしたことでもお礼を言うのが当たり前で、ときには感謝を形で表したほうがいい。
たとえば、営業は成果を出すと報奨金をもらえるのだが、それは周囲もちゃんと見ている。口には出さなくても「営業だけいい思いをして」「オレたちもがんばっているのに」と思っている人もいる。昔、優秀な先輩から「報奨金はおまえが預かってるだけで、全部ポケットに入れたら終わりだぞ」と言われたことがあるが、まさにその通り。たまにはランチや飲み会でおごるなどして、感謝の気持ちをアピールしたい。お金に余裕がない人でも100円以下のプチギフトでも十分効果がある。
成果を挙げるためには、とにかく敵をつくらないこと、味方を増やすことが大切だ。そのためにはパートの女性にも気配りをする。
「これ、もらったんだけど、息子さんにどうぞ」とおもちゃをあげたりして、コミュニケーションをしておく。そういう細やかな心遣いができると、自分にかかってくる電話を受けてくれる彼女たちの対応も違ってくるはずだ。
どれも相手の立場になればわかることばかりなのだが、上から数字を求められて達成できないことが続いてくると、人間誰でも余裕がなくなる。そして冷静に考えれば失礼だとわかる行為、嫌がられるとわかる行為をついしてしまうのだ。だから、ここに挙がっている項目は自分の心の余裕度を測るバロメーターと思って自分の行動を振り返ってみてほしい。
▼仕事で好かれるマナーの大原則
1.「上から目線」にならないよう気をつける
2.締め切りを死守する
3.ミスがあったら素直に謝る
【調査概要】楽天リサーチの協力を得て実施。対象:組織で働く300人(20〜50代、男女比1:1、営業・販売職対象) 期間:2014年3月3〜5日 【集計方法】回答を次のようにポイント化して集計(救いようがないバカ:4、かなりバカ:3、ちょいバカ:2、気にならない:1)
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1995年大学卒業後、トヨタホーム入社。クビ寸前の売れない時代を過ごすも、仕事スタイルを一変させ、4年連続トップ営業マンに。2006年独立。
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(営業コンサルタント・関東学園大学経済学部講師 菊原智明 構成=伊藤左知子)