北朝鮮は12日、拉致被害者を含む日本人行方不明者の調査を全面中止し、調査を担当していた「特別調査委員会」を解体することを発表した。北朝鮮の同動きは中国でも報道され、中国版ツイッターの微博(ウェイボー)では、北朝鮮に対する厳しい見方を示す書き込み目立つ状態になった。(イメージ写真提供:123RF)

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 北朝鮮は12日、拉致被害者を含む日本人行方不明者の調査を全面中止し、調査を担当していた「特別調査委員会」を解体することを発表した。北朝鮮の同動きは中国でも報道され、中国版ツイッターの微博(ウェイボー)では、北朝鮮に対する厳しい見方を示す書き込み目立つ状態になった。

 新華社は12日深夜、「朝鮮(北朝鮮)が朝日間の歴史的遺留問題の特別調査委員会を解散」との見出しで、同件を報じた。見出しでは「拉致問題」の表現を控えたが、本文では「いわゆる拉致問題とは、1970年代に北朝鮮の工作員が日本人を北朝鮮に拉致した問題。北朝鮮は2002年に正式に『遺憾の意』を表明し、5人を日本に帰国させ、すでに亡くなった拉致被害者の遺体と遺物を日本に渡した。しかし日本側は拉致された日本人がまだ北朝鮮にいるとみなしている」と紹介。

 日本では、引き渡された遺骨が偽物と鑑定されたなどは省略されているが、北朝鮮自体が「日本人拉致」をしたと認めたことは事実通りに紹介した。

 香港に拠点を置き、中華人民共和国をはじめとする全中華圏に情報を発ししている衛星テレビ局の鳳凰衛視は13日午後9時半ごろ、微博の公式アカウントで同問題を紹介した。

 コメントが急速に寄せられたわけではないが、集まった意見は「ならずもの国家」、「神がだれか1人を滅ぼさねばならないとしたら、まずはこの頭のおかしな奴だ」、「(制裁に対する)赤裸々な報復だよ」、「戦争に訴える以外、カードがあるのかね」といった、北朝鮮に憤りを示すものだ。

 一方で、国連も1月23日時点で、微博の公式アカウントで「北朝鮮の前指導者は公に、北朝鮮が日本人拉致にかかわったと認めた」として、「国際社会は日本人拉致問題の最終解決方式を探す努力をせねばならない」と発表していた。

 寄せられたコメントで「いいね」が最も多いのは「万悪を施す金氏王朝の味方をする者はすべて、北朝鮮にやりたい放題をさせる奸賊だ。つまり全人類の共同の敵だ!」と、自国政府への批判とも受け取れる、北朝鮮非難だ。(編集担当:如月隼人)(イメージ写真提供:123RF)