緊迫の投手戦!終盤に逆転劇が待っていた!

代打逆転打を放つ興南・福元 信馬

 球質、制球力、経験値、どれを取っても沖縄県内の、右と左のトップに君臨する嘉手納の仲地 玖礼と興南の比屋根 雅也。第1試合の打撃戦の余韻が残る沖縄セルラースタジアム那覇を、この二人が引き締める緊迫した投手戦へと持ち込んだ試合を振り返る。

 初回、嘉手納は一死一、三塁とチャンスを作ると4番・大城 堅斗が、バットの先でボールを捉えセンターの前にポトリと落とすヒットで先制。幸運なようにも見えたが、やはりそこはしっかりと振り切る嘉手納打線の特徴が生んだ1点でもあった。

 対する興南も仲地の立ち上がりを攻め、2回までに3安打を集めるが攻略までには至らず。その後、比屋根が2回から5回まで嘉手納打線をノーヒットに、仲地も3回から6回まで興南打線を無安打に封じるなど、両投手が持ち味を見せて試合はこう着状態が続いた。

 そんな中、大きな転機となったのは6回表。比屋根がクイックで投じた球がクイック・リターンピッチとして反則投球となる。「なんで昨日はとらなかったのに、今日はダメなのか。でもあれでベンチも燃え上がりました」とは我喜屋監督。

 その言葉通り7回、先頭打者に代打を送ると、その吉澤 誠矢からチャンスが拡がり二死二、三塁とする。ここでこのイニング2人目となる代打・福元 信馬が、ライトへ運び二者が生還し一気に逆転。8回にも高那 峻のタイムリーで1点を加えた興南は、投げては比屋根が7安打を浴びるも8奪三振と力投し、秋季大会5年振りとなる決勝進出と、春に続く2季連続25度目の九州大会出場を決めた。

(文=當山 雅通)

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