シーソーゲームを制し九州大会出場の切符を掴んだのは?

八重山バッテリー、勝利のハイタッチ

 勝てば春夏通じて同校初となる九州大会出場を決めたい八重山に対し、こちらも22年振りの決勝進出と、33季振りの九州大会への切符を手に入れたい那覇商との、意地と意地がぶつかり合う、得点の奪い合いとなった。

 先制したのは那覇商。初回、先頭の屋良 朝哉がレフトへの鋭い当たりを放ち、これが二塁打となる。屋良の安打をきっかけとなり一、二塁のチャンスが生まれ、4番・松永 太地の打球がレフトを襲うタイムリー二塁打となり1点を先制。だが、八重山先発の仲山 琉斗が踏ん張り追加点を与えなかったのが、八重山にとっては大きかった。それでも意気上がる那覇商は2回、二死一、三塁から前日の宜野座戦で3安打と好調の2番・藏下 達希がセンター前へと運ぶタイムリーで2点目を刻み、序盤の主導権を握った。

 追い掛ける八重山は「選手たちが自主的に話し合って、今こうだからこうしようと。凄く成長の跡が見えました」と仲里監督が褒めたナインたちが、浮き足立っていることを改めて認識した上で、自分たちの野球をしようとベンチで互いに鼓舞。

 直後の3回、下位打線が2つの四球を選び一死一、二塁として2番・友利 有也がセンター前へ弾きかえす。二塁走者が生還したが、その後中継が乱れた那覇商野手陣のミスを突く好走塁で一塁走者もホームへ帰り一気に同点に追い付いた。

 しかし那覇商も4回、ヒットと死球の走者を犠打で進めて、3番・知念 祐平のタイムリーで加点。続く松永の内野ゴロで三塁走者がホームを踏むと、5番・田里 海都にもタイムリーが飛び出し八重山を突き放す。

 だが、八重山も5回、3番・東盛 隼己のタイムリーと黒島 投真の内野ゴロ、さらに新里 光平のゴロが相手のミスを誘い同点とする。

「流れを変えるため」に投入した黒島が3番手として登板すると、八重山は7回、9番・伊志嶺 瑠希が三塁打を放つと、1番・川満 拓也がきっちりとライトへ犠牲フライ。続く友利がセンター前ヒットで出塁すると、盗塁と相手の悪送球の間に三塁を陥れる。そして東盛のセカンドゴロの間に友利が生還し遂に逆転。那覇商も8回、1点を返す粘り強さを見せるがここまで。八重山が、秋季大会初となる決勝進出と、こちらも初めてとなる九州大会への切符を手に入れた。

(文=當山 雅通)

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