守備の安定に高評価・鹿児島城西

鹿児島城西、2回の5点目の一打

 初回の4点で波に乗った鹿児島城西が、尚志館とのシード校対決にコールド勝ちした。

「初回の4点は本当に大きかった」と金城 和彦監督。相手のミスも絡んで一死満塁とし、5番・田代 隼哉(2年)、6番・戸川 太喜(2年)が連続タイムリーを放つなどで、初回に4点を奪い、攻守とも自分たちのペースで野球をやり切ることができた。

 この試合で8安打放っているが、うち7本がセンター方向と、しっかりミートして打ち返す打撃が徹底されていた。「相手バッテリーは、早いカウントでは外角中心の配球の傾向があったので、追い込まれるまではそこを狙う指示はしていた」と金城監督。打つだけでなく、4つの送りバントを決め、6つの四死球を選ぶなど、選球眼の良さも目を引いた。バントに関しては「9月頃から朝5時半に起きて練習させている」と金城監督。エース平 将太は「日頃の練習で意識していることができた」と話す。

 1年ぶりの九州大会を勝ち取ったが、金城監督は「大会前ここまで来られるとは思っていなかった」という。開会式前日にエース捕手の上村 大希(1年)が練習中に右手中指を骨折。扇の要を、一塁を守る練習をさせていた戸川にコンバートし、その他の野手にも若干の変更があった。

 予想外のアクシデントで守備面に不安を抱えて臨んだ大会だったが、今大会は逆に守備が安定していることが大きな勝因につながっている。この試合も相手が3失策してそれが全て失点に絡んだのと好対照だ。「守備が安定していることで、平も有川(凌・2年)も思い切りの良い投球ができている」(金城監督)。攻守ともしっかりかみ合って、九州への切符を手にしたが、金城監督は「これから相手投手、打線のレベルが上がって、どれだけこれまでのような野球がやれるかどうか」を今後のカギに挙げていた。

(文=政 純一郎)

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