左から 高校時代の竹崎 裕麻投手、金子 大地投手

 2014年甲子園出場を果たした春日部共栄。1993年夏には当時エースの土肥 義弘投手(現・埼玉西武ライオンズ 一軍投手コーチ)の活躍で準優勝に輝いている。そして爽やかなプレースタイル、熱烈な応援により埼玉県の高校野球ファン、高校球児に根強い人気をみせる春日部共栄のつながりを見ていきたい。

春日部共栄の躍進には必ず好投手の存在があった

 春日部共栄は1980年に設立された新設校で、ちょうど浦和学院や花咲徳栄と同時期に開設された。そこからメキメキと頭角を現した浦和学院と同じく、春日部共栄も1991年選抜で甲子園初出場を決め、1993年夏には2回戦から登場し近江兄弟社と対戦。この試合は土肥投手の活躍により12対0で快勝した。さらに3回戦では日大山形を延長10回の末、3対2で破り、初のベスト8を決める。

 そして準々決勝では、川上 憲伸投手(現・中日ドラゴンズ)擁する徳島商を11対4で破り準決勝進出を決めると、準決勝では常総学院を5対3で破り、決勝進出を決める。しかし決勝では2対3で育英に敗れ、準優勝に終わった。この大会で春日部共栄の名は全国に広まった。

 その後も、1997年には春夏連続で甲子園出場を果たし、2005年夏には初戦で大阪桐蔭と熱戦を演じた。そして2014年夏の甲子園では、初戦で選抜優勝の龍谷大平安を破り、甲子園のファンを沸かせた。

 そんな春日部共栄のウリといえば、投手力。土肥氏をはじめとして、千葉ロッテ・阪神タイガースで先発・クローザーとして活躍した小林 宏之氏(現・武蔵ヒートベアーズ監督代行)、150キロ級の速球で投げ込む剛腕投手として活躍した中里 篤史氏(元読売ジャイアンツ、現読売ジャイアンツスコアラー)、先発投手として高く期待されている中村 勝投手(北海道日本ハムファイターズ)など好投手が多い。2014年夏の甲子園出場時のエース・金子 大地投手も、テクニックに長けた技巧派左腕であった。

 今後もどんな好投手が生まれるのか、見逃せない。

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[page_break:近年の卒業生を紹介]近年の卒業生を紹介

 近年の卒業生を紹介すると、やはり好投手の存在が多い。プロ入りした選手では中村 勝投手が一軍で活躍し始めており、また大学に進んだ投手たちの活躍も期待される。昨年は甲子園に出場したこともあり、多くの選手が大学でプレーしている。再びプロ入りを狙える選手が現れるか注目だ。

■2010年卒・中村 勝(北海道日本ハムファイターズ)・西村 祐希(明治大−三菱倉敷オーシャンズ)

■2011年卒・鎌田 恭彰(東洋大卒)

■2012年卒・竹崎 裕麻(青山学院大)・小泉 龍一(国学院大)

■2013年卒・青木 隆一郎(共栄大)・鎌田 雅大(東海大)・田村 将太郎(立正大)

■2014年卒・西澤 大(日本体育大)

■2015年卒・金子 大地(明治大)・西尾 洸輝(日本体育大)・倉井 知哉(東京情報大)・守屋 元気(東海大)・原田 寛樹(法政大)・小林 慎太郎(神奈川大)

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