【医師たちのリアル恋愛事情】西川史子も…女医が「非医師」の男を選ぶワケ
【フリーランスドクターXのぶっちゃけ話】
ドラマ『医師たちの恋愛事情』(フジテレビ系/木曜よる10時〜)の医療アドバイザーを務める現役女医・筒井冨美が、ドラマに描かれる医療現場のリアルを解説する。
「医者でないオトコ」を選ぶ女医が増加中「医師妻になる最も確実な方法は、自ら女医になることである」とは昭和時代より言われるものの、平成20年代の女子医学生率は30〜35%となり、「女性が医大進学しても自然に医師妻になれるとは限らない」時代になった(下記リンク参照)。
医学生〜研修医時代にはそれなりに出会いがあっても、それを逃して独身のまま30代に突入した女医は、婚活において厳しい闘いを強いられ、なかには「既婚医師との不倫」という泥沼に堕ちるケースも後を絶たない(下記リンク参照)。
「女医の婚活」といえば、「医者×医師婚」あるいは「生涯独身」の二者択一……という雰囲気はまだまだ残っているものの、「女医・非医師男婚」という第三の選択肢をとる女医も確実に増えている。
テレビドラマにおける「女医×非医師男」カップルといえば、2006年に放映された『結婚できない男』(フジテレビ系)が代表格であろう。阿部寛が演じる40歳の建築家と夏川結衣が演じるアラフォー女医が、すったもんだの末に恋人同士となる。全12話かけて、ラブシーンはおろかキスすらしないという草食系カップルだが、最高視聴率は25%を超える大ヒット作となり、韓国でもリメイク版が放映された。
2012年に放映されたNHK朝ドラ『梅ちゃん先生』の主人公女医(堀北真希)も、一度は男性医師と交際するも、結局は幼馴染の非医師男性と結婚する。『医師たちの恋愛事情』でも、シングルマザー女医の奈々は、平岳大が演じるVIP患者と何やら進展しそうな雰囲気である。
女医たちの「オンナの幸せ」はどこにある?『日経メディカル』誌が「既婚女医の夫が医師である率」を何度か調査しているが、2007年発表で68%、2009年で58%であり、近年の女医率上昇を考えると「女医の過半数は非医師男と結婚」する時代はそう遠くないことが推察できる。
実際に、元祖タレント女医の西川史子先生は38歳で実業家の年下男性と結婚したし(後に離婚)、同じくタレント女医の友利新先生は医師夫との結婚・スピード離婚の後、35歳で非医師男性と再婚している。実際、私の周囲でも20代に結婚した女医は圧倒的に医師×医師婚だが、30代後半に結婚した女医は過半数が女医×非医師男婚となっている。
女医の婚活を考えるとき、「女医=結婚するなら男性医師がベスト=出会いが少ない」と嘆くタイプよりも、「女医=経済力あり=一般女性が躊躇するようなハイリスク男でもO.K.=実は出会いは多いかも」と考えるタイプのほうが、幸福になれる可能性が高いと思う。
私は医者同士の結婚に反対しているわけではないが、(特に30代以降になっても)医師×医師婚に固執した挙句「上司やら指導医との院内不倫」という不毛な泥沼に堕ちるぐらいならば、病院外にも目を向けて「自分だけを大切にしてくれる独身男性」を広く探すべきだと思う……医師免許を持つ女は、職業や年収だけで男を値踏みする必要性はないのだし、インターネットやSNSの発達はそれを助けてくれるはずである。
という訳で、私の見聞きした範囲内にも、公務員、エンジニア、学校教師といった一般男性のみならず、政治家の卵、オルガン演奏家、外国人……といったユニークな夫を持つ女医が増加中である。
相撲部屋に嫁いだ“変わり種女医”も!以前、私が勤務していた大学病院で、入院患者のお見舞いにやってきた相撲力士と恋に落ちて、そのまま寿退職した女医がいた。当時の院内ではそれなりに話題となったが、やがてそのまま忘れ去られていった。
そして2014年の9月場所、久々の大型新人「逸ノ城」が新入幕で13勝2敗という好成績で注目されたが、11月場所では帯状疱疹に悩まされた。200?超えの巨体に抗ウイルス剤を点滴する姿がスポーツニュースで報道されたが、その点滴を刺している女医が湊部屋の女将であることにも世間の注目が集まった。
「どこかで聞いたような……」と、私は早速ネットで検索したら……やはり、大学病院で力士と電撃結婚した例の女医さんらしかった。
引退して湊部屋親方を務める夫を女将&チームドクターとして支えながら、子供にも恵まれ、医者業も続けているらしい。テレビの報道で拝見した限りでは、凛とした雰囲気を漂わせて、充実した人生を送っているようであり、私はこっそり安堵したのであった。
まとめ医学生の1/3は女性という時代になり、「女医になれば自然に医者と結婚できる」時代ではなくなった「女医・医師婚」のチャンスは20代にはそれなりにあるが、30代以降は厳しいその一方で「女医・非医師男婚」が近年増加中である「女医は医者と結婚すべき」よりも「女医は一般女性が躊躇するようなハイリスク男でも結婚できる」といった発想が、幸せに近づく秘訣と推察される筒井冨美(つついふみ)1966年生まれ。フリーランス麻酔科医。米国留学、医大講師を経て2007年よりフリーに転身。テレビ朝日系ドラマ『ドクターX∼外科医・大門未知子∼』取材協力。4月9日(木)22時からスタートするドラマ『医師たちの恋愛事情』(フジテレビ系)で医療アドバイザーを務める