J-CASTニュースでは、「きっこの日記」2006年2月4日付の記事「踊る猫」の削除された箇所について執筆者であるきっこさんにメールで質問した。以下は、その回答である。文中でも述べられているように、きっこさんの希望でここに全文を掲載する。
※この記事は、「「きっこの日記」 知られたくない?削除部分」のつづきです。


きっこ氏からの返答

   Aさま、はじめまして。
   「きっこの日記」のきっこです。

   2ちゃんねるは見たことがないので、何がどうなっているのか事情がまったく分かりませんが、Aさまのご質問についてのみ、分かる範囲でお答えします。

   まず、「きっこの日記」の「踊る猫」という過去ログについてですが、削除した部分は保存していないので、Aさまが引かれた文章が、あたしが当初書いたものかどうか、確実にはお答えできませんが、目を通した印象では、たぶん、あたしが書いたものだと思います。

   それから、削除した理由は、日記をアップしてから数時間の間に、3〜4人の読者から、以下のような同様の内容のメールが届きました。

「きっこさんが猫を可愛がっていることは知っていますし、日記に掲載した猫に対する遊びも、虐待というレベルではなく、猫と遊ぶ時によくやる行為だとは思いますが、読者数が多く、とても影響力のあるきっこさんの日記で、このようなことを書いてしまうと、真似をする子供などが出て来てしまうおそれがあると思います。そして、きっこさんのように、自分の世話している猫を相手に遊び、最後にちゃんと輪ゴムを外したりすれば良いのですが、野良猫を相手に子供が真似をして、そのまま放置するようなことがあると、場合によっては事故などに発展してしまうかも知れません。そのため、できれば、関係する箇所を削除して欲しいと思います。どうぞ、宜しくお願いいたします。」

      それで、はっきりは覚えていませんが、その日のうちか、遅くても24時間以内に、該当する箇所を削除し、「お知らせ」として、「日記の内容に公共性に欠ける部分があったため、何人かの読者から指摘を受け、あたし自身もその指摘に対して納得したので、該当箇所を削除、訂正しました」というコメントを数日間、出しておきました。

      以上が、この件の経緯です。

   それから、「動物愛護の精神に反してしまうのではないかと思うのですが、いかがでしょうか。」という質問に対してですが、あたしが書いた行為自体は、自分の可愛がっている猫に対して、確固たる信頼関係を結んだ上で、「痛くないこと」「本当に嫌がる猫にはやらないこと」「あくまでも猫とのスキンシップの一環として」などを踏まえた上でやっていたことなので、動物愛護の精神に反するとは思っていません。(ちなみに、現在はやっていません)

   ただし、そのような揚げ足を取る人も出て来ると思ったので、半分はジョークのつもりで、「動物愛護団体に怒られちゃいそうだけど」と書いているだけです。
   本当に動物愛護団体に怒られるようなことなら、最初から書くわけがありませんし、あたしの日記をずっと読んでいる人なら、こういった、あたしの言い回し、表現などから、あたしの真意はきちんと理解できるはずです。

   しかし、読者からの指摘のように、あたしの書いた文章を読み、こういった深い部分までを理解しないで行動に出る子供などが出てきてしまった場合には、あたしの文章が、動物愛護の精神に反する行為へのヒキガネになってしまう可能性があると判断しました。
   そのため、該当箇所を削除し、お知らせを掲載した次第です。

   あたしとしては、自分の書いた文章に対して、読者からの指摘を真摯に受け止め、迅速に削除、訂正し、お知らせも掲載したのですから、個人の日記としての最大限の責任ある対応をしたつもりでおります。
   また、指摘してくださった人たちからも、後日、「ありがとうございました」というお礼のメールも届いております。

   しかし、あたしが削除した箇所をわざわざ探し出し、それを公共の掲示板などにアップして騒いでいるような人がいるのでは、その文章を見て、同じ行為を真似する子供が出て来てしまうかも知れませんね。
   これでは、わざわざ指摘してくださった人たちの好意や、素早く対応したあたしの努力も無駄になってしまいます。

   Aさま、良く考えてみてください。
   他人が削除したログをわざわざ探し出し、閲覧性の高い公共の場に掲載し、わざわざ騒ぎ立てて煽っている人たちこそが、「動物愛護の精神に反する行為を助長している」と言えるのではないでしょうか?
   そういった行為をしている人たちは、本当は動物愛護のことなどどうでも良く、動物愛護という看板を大義名分として、単に、あたし個人に対して嫌がらせをしたいだけなのではないでしょうか?
   本当に動物愛護を考えている人であれば、作者が「子供が真似をすると困る」と判断して削除した文章をわざわざ再掲して騒ぎ立てるようなことをするでしょうか?
   そして、こんなくだらないことに対して、わざわざあたしに質問をして来て、場合によっては記事にしようとしているAさまも、「動物愛護の精神に反する行為を助長している人たち」に「加担すること」になるのでは?と危惧します。

   最後に、もし、この返信を記事に掲載するのであれば、部分的な引用ではなく、全文掲載でお願いいたします。
   全文掲載以外の使用は、誤解を生むおそれがあるので、お断りいたします。

「きっこの日記」  きっこ拝
2006年9月6日

(注)文中の「A」とはきっこさんに質問した記者の名前です。