J1リーグは序盤5試合を終え、今週末に第6節を迎える。首位は5連勝の横浜FM。見事なスタートダッシュを切った。トップ下でプレーしている中村俊輔がものすごく生き生きしているね。今、彼はプレーするのがとても楽しいんじゃないかな。ケガや起用法の不安から解放されている時の俊輔のイマジネーションはさすがだ。
 
 とはいえ、ちょっと穿った見方をすると、ベテラン揃いの横浜FMが席巻しているのは考えものだ。ドゥトラや中澤がDFラインの中心にいるのは、10年前にJリーグを制した時と同じだよ。好調のマルキーニョスは、日本で何年前からゴールを量産しているんだろうね。横浜FMの快進撃の裏で、果たしてJリーグはちゃんと進歩できているのだろうかという疑問も沸いてしまう。
 
 20周年を迎えたJリーグだが、20年経ってみて、今現在、これだという選手、これだというクラブがなくなってしまっているように感じる。近年の団子レースもその証拠。企業スポーツの枠から抜けだせず、不景気で予算は削られ、尻すぼみになっている感は否めないね。
 
 もっと悪いことに、日本の予算社会というのは、一度削ったら二度と戻さない。アベノミクスで親会社の景気が良くなったとしても、クラブに回される予算は戻ってこないだろう。はっきり言って、お先が明るいとは言えないね。
 
 親会社に頼らない、本当の意味で独立独歩のプロクラブを目指すべきと、口を酸っぱくして言い続けている。マスコミの追求も弱いし、Jリーグ本体の自浄作用も望めないが、根本的な体質を変えないことには、Jリーグのさらなる飛躍はないだろう。

 夜のスポーツニュースにおける、野球とサッカーの割合は20年前と比べてどうだろうか。日本にサッカーは浸透したか。この視点は忘れずにいたいね。