慶應SFC入試にまさかの「数独」出題 受験予備校「いかがなものか」と苦言
電車の中で解いている人をよく見かけるペンシルパズルの王様「数独」(ナンプレ)。これが慶應義塾大学の入試に、数学の問題として出題されて話題になっている。
勉強してきた知識では解けないため、戸惑った受験生が多くみられた。また、予備校も趣味としてやっていた人が有利になるとして苦言を呈している。
「時間持ってかれて爆発したwwww」
「数独」とは9×9の正方形の枠内に1〜9までの数を入れるペンシルパズルの名前だ。ナンバープレース(ナンプレ)とも呼ばれる。縦・横の各列と、太枠で囲まれた3×3のブロック内に同じ数字が複数はいってはいけないというルールがある。
ポケットサイズの冊子にまとめられた問題集が販売されていて、電車での移動中にも遊べる元祖「携帯ゲーム」として親しまれてきた。最近では海外でも人気が高い。
この「数独」に似た問題が出題されたのは2013年2月19日に実施された慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)総合政策学部入試の数学の第2問だ。
「焦ったwwwwwwwwwwww数学の入試に数独でてきよったwwwwwwwww途中でやり直して40分かかったwwwwwwwwwwww」
「まさかの数独wwwwww 時間持ってかれて爆発したwwww」
試験終了直後の12時過ぎから、ツイッターにはこんな書き込みが相次いで投稿された。
ともにアップされていた画像を元に「数独」初心者の記者が挑戦してみたところ、合計で31分かかり確かに難しいと感じた。実際には試験は5問で、制限時間は120分だから単純計算すると1問あたり24分しかつかえない。
これまで勉強してきた数学の知識では解けない目新しさの上に、制限時間のプレッシャーが加わるとなると、混乱した受験生が多かったのもうなずける。
「目新しさを狙って暴走」?
この「数独」の出題、大学受験予備校ではどう見ているのか。代々木ゼミナールの数学担当者は、J-CASTニュースに対して「慶應SFCということを考えれば、そう珍しいことでもない」と話す。
国公立や私大でこういった出題はきわめて異例だが、もともと慶應SFCは指導範囲外の内容や奇をてらった問題を多く出す傾向があるため、受験生もある程度は想定していたはずだという。また、その他の問題が比較的簡単だったこともあり、「数独」のせいで総崩れした受験生は少ないと見る。
一方で、「数独を趣味としてやっていた人が有利になりうる問題と言うのは、入試問題としていかがなものか」と苦言を呈した。「娯楽」で差がついてしまえば、これまで真面目に勉強してきたことの意味がなくなってしまうので、「良い問題とは言えない」という。
最近は入試問題の「マンネリ化」により、受験勉強が問題パターンの暗記一辺倒になってしまっていると指摘されている。そんな中で「目新しさを狙って暴走してしまったのでしょう」といい、受験生の努力がむくわれる出題をしてほしいと話していた。