前年度王者の専修大学の2連覇で幕を閉じた関東大学リーグ。年々、リーグの存在が注目されるのも年間の戦いを彩る実力を持ち合わせる選手が数多く存在するからに他ならない。その中でも今季、自チームの中心として活躍し、リーグでその輝きを見せた11人をCSPark サッカー班が選定。首位の専修と2位の明治から3名づつと、最終的な結果が選定に響いたことは間違いない。しかしその部分だけに囚われず、試合ごとの評価点や均衡した試合での得点・アシストなどの勝負強さなどの総合面を考慮して選定させてもらった。

選手紹介文(竹中玲央奈、行方次郎)


 



GK 松澤香輝(早稲田大学2年・流通経済大学付属柏)


 



松澤香輝と書いて‘攻撃的守護神’と読みたい。守護神の名の通り、今季リーグ戦では幾度となく神がかったセーブを見せ、早稲田の最後の砦を担った。「松澤がいるのといないのでは全く違う」こう語るのはDF菅井順平(4年・浦和Y)だ。2年生にしてチームでの信頼は非常に厚い。しかし、攻撃的とあるように目を見張るのはセービング力だけではない。彼の精度の高いキックは一級品である。通常のゴールキックはもちろんのこと、弾道が低く、正確無比なパントキックは驚異的である。そんな非の打ち所がない彼だがあと2年、どんな成長をするのか楽しみである。 


 


DF 鈴木雄也(専修大学4年・武相)



2連覇を成し遂げた専修大を支えてきたこの男の選出に異論はないだろう。仲川輝人(2年・川崎U-18)や長澤和輝(3年・八千代)などが中心となって展開した攻撃サッカーも「彼のようなCBがいるからこそ」(源平監督)。個性の強い2,3年生が多いチームをまとめあげ、チームの2連覇に目立たぬところで貢献した。後期に躍進し2位につけた明大の神川監督も「専修がこの位置にいるのも鈴木君の存在が大きい」と言う。


 


DF 岡崎亮平 (中央大学2年・湘南Y)



後期に入ってレギュラーを奪取。圧倒的な身体能力と対人の強さを武器に中大の最終ラインに立ちはだかり、特にインカレ圏内をかけた大一番の早稲田戦や最終節の専修戦で圧巻のパフォーマンスを見せた。 精度の高いフィードも魅力。インカレ2回戦の阪南との試合ではクロスに対しての守備への課題を露わにしてしまったが、2年生ということもあり伸びしろは十分。今後の中大を背負って立つ存在だ。


 



DF 畑尾大翔 (早稲田大学4年・FC東京U-18)



彼のような選手をチームの大黒柱と言うのだろう。「伝統がある早稲田の主将は畑尾でなければやれなかった」MF島田譲(4年・鹿島Y)はこう評した。一年間、早稲田の主将を任されてきたその男の背中には絶対的な信頼感があった。試合になると強靭な守備力を発揮し、関東1部の屈強なFW達を抑えてきたことやピッチ外での彼の振る舞いがその信頼を勝ち取った理由であろう。ピッチ内外でキャプテンシーを発揮し、早稲田の大黒柱として務めてきた畑尾大翔の次なるステージを刮目して待ちたい。


 



MF 佐藤優平 (国士舘大学4年・横浜FM・Y)



基礎技術や展開力の高さだけでなく、得点力も備わった万能ボランチは国士舘の絶対的支柱であり、彼の存在の有無がチームの結果に影響を及ぼすことは多々あった。苦しい時間帯、均衡した状況の中で得点を奪う力に長けており、第12節の流経大戦や第18節の専修大戦で奪った得点が印象的だ。J1・横浜F・マリノス内定。




MF 長澤和輝(専修大学4年・八千代)



上級生となった今季は12得点17アシストという圧巻の数字を記録し、王者・専修の顔となった7番には多くのスカウトが注目を集める。仲川と共に要注意人物にあげられ、数多くの対戦相手から厳しくマークをされた中で前述した記録を弾きだしたことは賞賛に値する。最終学年を迎える来季において、背負う期待とプレッシャーの大きさは計り知れない。しかしそんなことも彼にとっては関係ないだろう。大学サッカーが誇る至宝から、来季も目が離せない。


 




MF 三田啓貴(明治大学4年・FC東京U-18)



後期に躍進をした明治大においては、特に数字の面に着目すると3人で30点以上を上げた山村・岩渕・阪野に目が向く。だが、"後期の明治"で圧倒的存在感を見せたのは10番を背負う稀代のレフティーだ。類稀なるパスセンスとここ一番で結果を残す勝負強さでチームを牽引するその姿を「違いの生み出せる選手」と佐藤優平(4年・横浜FM・Y)は称賛する。J1・FC東京内定




MF 岩渕良太(明治大学4年・FC東京U-18)



後期を10勝1敗と圧倒的な強さを見せた明治においてキャプテンマークを巻き、得点ランク2位タイの12点を記録。名実ともにチームの象徴となった。止める,蹴るの技術の高さは言うまでもなく、パスやシュートのセンスの高さも1つ群を抜いていた。前線からの献身的な守備も魅力の1つであり、フォワードやシャドーだけでなくサイドハーフやボランチもこなすなど、ポリバレントさも発揮。J2・松本山雅FC内定。


 


MF 茶島雄介(東京学芸大学3年・広島Y)



1年での2部降格が決まった東京学芸大の中で、その小さな身体で一際大きな存在感を放った広島Yが生んだボランチ。オフ・ザ・ボールの動きに定評があり、彼が前線に顔を出すことが得点の匂いを倍増させる。自らドリブルで前へ持ち上がれるのも強みであり、長短のパス精度も高い。決定力も兼ねそろえており、今季はボランチながら9得点を記録した。


 


 


 


FW 仲川輝人(専修大学2年・川崎U-18)



専修のスピードスターは目標としていた得点王には届かなかったものの、10番を背負った新シーズンで間違いなくその存在感を見せつけた。長澤と2人で組み立てる中央突破はどれだけ厳しくマークを付け、どれだけ堅いブロックを作ったとしても止めることは容易でない。実際にに仲川自身も「厳しいマークを受けることはあったけど、その状況でも崩せることが出来た」と言う。言うなれば"2年目のジンクス" をまったくものともせずに12得点を記録した2年生のエースの行く先はまだまだ深い。


 


FW 山村佑樹(明治大学4年・FC東京U-18)



三田や岩渕らと共に後期の明治の躍進を支えた象徴の1人。左右両足、頭と身体の部位を問わず様々な形から得点を奪うことができ、前線からのプレスも厭わない。その高い得点感覚は相手に脅威を与える、”怖さ”を持ったFWだ。「ストライカーに必要な能力を兼ねそろえている」と神川監督も太鼓判を押している。J2 ・水戸ホーリーホック内定。


 


 


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CSParkサッカー班


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CSParkの大学サッカー取材班です。