試合 :ブンデスリーガ 第19節
開催日:2012年1月28日
結果 :ドルトムント勝利
スコア:「3−1」
得点者:香川真司 グロスクロイツ 香川真司 ヨンソン

○ ボルシア・ドルトムント

FW:レワンドフスキ
MF:香川真司
MF:グロスクロイツ ケール ベンダー ブラスチコフスキ
DF:シュメルツァー フンメルス スボティッチ ピズチェク
GK:ヴァイデンフェラー

FW:バリオス
MF:香川真司
MF:ペリシッチ ケール ベンダー ギュンドガン
DF:シュメルツァー フンメルス スボティッチ ピズチェク
GK:ヴァイデンフェラー

○ ホッフェンハイム

FW:バベル ヨンソン フィルミーノ
MF:サリホヴィッチ ヴァイス
MF:ルディ
DF:ブラーフハイト ヴェステルゴー ウィリアムズ ベック
GK:シュタルケ

FW:フィルミーノ バベル ムソナ ムラパ
MF:サリホヴィッチ ヴァイス
DF:ブラーフハイト ヴェステルゴー ウィリアムズ ベック
GK:シュタルケ


前半16分、高い位置でボールを奪い、香川にボールが渡って、そのまま香川がドリブルしてシュート、という事でドルトムントが先制点。ドルトムントの一方的な攻勢は続き、後半31分、香川がボールを奪ってから、ブラスチコフスキ→香川→ブラスチコフスキ、というパス交換があって、最後はブラスチコフスキからのクロスをグロスクロイツが決めて、スコア「2−0」、ドルトムントの2点リードで前半を終了します。

そして、後半10分、右サイド、香川へのパスを相手がクリアミスしてくれて、そのボールが香川へつながり、香川からPA内を左から右へダイアゴナルに入ってきたグロスクロイツへパス。そのグロスクロイツがヒールで香川にボールを返し、それを香川がきっちり決めて、ドルトムントが3点目を決めました。これでこの試合、香川が2得点。2点目の起点にもなっていましたし、大活躍でした。

香川が周囲の選手に得点を取らせる事によって、その選手たちも香川に得点を取らせようとしてくれる。香川が攻撃の起点になっていると認識されれば、どの選手もまずは香川を見ようとする。まずはチームのために働いて、それから自分。得点を取りたかったら、まずはそのための流れを作る。そのための雰囲気を作る。それが重要という事だと思います。また、アシストでも良いから結果を出す事によって、精神的にも落ち着いてきて、周囲が良く見えるようになり、それが結局は得点にもつながる。

ルーカス・バリオスが怪我から復帰後に得点を取れなくて悩んでいますが、やはり少し前の香川の状態と同じようになっていると思います。今のバリオスは、得点を取りたいという気持ちにはやりすぎていて、プレーが焦っていると思います。従って、まずは守備とポストプレーでチームに貢献し、それによって仲間の意識を自分に集め、また、それによって自分自身に落ち着きを取り戻させる。そうすれば、以前のように得点も取れるようになってくるのではないかと思います。

という事で、55分間で3得点を奪ったドルトムントでしたが、しかし、その後の35分間ぐらいは、あまり良く無かったですね。前半かなりハイペースだった、という事もありましたし、また、3点をリードできた、という事もあってか、かなり選手たちの動きが鈍くなってしまったかな、という印象でした。それに対してホッフェンハイムは、3失点して吹っ切れた、もう攻撃に行くしかない、という感じで、逆にペースが上がって行きましたので、後半18分、ホッフェンハイムが1点を返します。

このあたりが、ドルトムントの1つの課題と言えるかなと思いますね。3点リードした後、体力的に落ちてきてしまった時、相手の勢いをいなしながら時間を使い試合を終わらせる。そういう試合運びとしての緩急や老獪さというものをチームが身に付けると、CLでも良い結果が残せるようになるのではないかなと思います。体力、勢い、ずっとは高い値を保ち続けられませんので、そういう意味での切り替えという部分も、ドルトムントには必要かなと思います。

もともとドルトムントというチームは、昨年からもそうだったのですが、サイドの選手、SHやSBの選手がどんどん前に上がって行くので、サイドの守備には少し不安のあるチームですね。そして、そこに関しては、ゴール前、中央の強さで弾き返して行く、という守備の在り方ではある訳ですが、3点をリードした、体力的に落ちてきた、その時には、もう少しバランスを考えても良いのかな、という気がします。