商品ブランドに関する米ブログ「brandchannel.com」では、日本で人気のチョコレート菓子「Kit Kat(キットカット)」についてつづっている。

 まず、キットカットは、1935年に英国の製菓会社によって作られた。もとはチョコレート・クリスプという名称だったが、現在のものに変更したのは、17世紀後半に英国文学や芸術、政治にまで影響を及ぼした居酒屋「キット・キャット・クラブ」に由来する、と歴史的背景を説明。

 英国ではオーナーが数回代わったが、ネスレが英国のベストセラー・チョコレートとして売り出して、世界中で巨大な市場を獲得。現在では70カ国以上で販売されているという。

 日本では、1973年に不二家が英国の製菓会社と提携して発売。ネスレは英国で、マンゴーやベリーといったフルーツ味を発売したが、人気がなく販売が激しく落ち込んだため、大部分は製造を中止し、スタンダードな味だけが残っていると現状を語っている。

 一方、この試みは英国では失敗したが、日本で花開いたと驚きをもって伝えている。日本はキットカットの製造ラインのさらなる拡大において期待ができると評価。アロエヨーグルト、小豆、コーラとレモンソーダ、緑茶、そして国内でもっとも人気のあるしょうゆ風味など、味覚の冒険を楽しみたい人は、日本版キットカットを試してみてほしいと勧めている。

 筆者は、今やキットカットは日本でただのお菓子としてではなく、好感をもたれた稀少品になりつつあると語る。多種類というだけにとどまらず、国内旅行者のお土産として、地方色を出したパッケージで限定版を売り出すなどのアイデアが、売り上げに拍車をかけた、とその販売戦略を絶賛。お土産は日本文化の一部で、ご当地キットカットは人気が出たと説明している。

 また、キットカットの発音は「きっと、勝つ」に似ているため、学生の入試の幸運を祈って、受験生が縁起を担いで食べる社会現象が起こり、発祥の地英国でBBCが報道するなど、世界的に話題となった。2009年には、日本の郵便局とコラボした「キットカット・キットメール」がカンヌ国際広告祭でグランプリをとるなど、日本で爆発的な人気となったキットカットの経緯について説明している。

 さらに、筆者は、味覚に敏感な日本人がキットカットのユニークな活路を見いだし、今それが世界へと波及していると締めくくっている。(編集担当:田島波留・山口幸治)



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