昨日は横浜。今日は新横浜。
青少年もいいけど、たまには大人のサッカーを見たい。
日産スタジアムでマリノスと名古屋の試合を見ます。

横浜は俺の予想より善戦している。
現在8位。6勝4分け5敗で五分を上回っている。
木村和司監督の銅像が建つ日も近いだろう。
名古屋は3位。9勝2分け4敗という戦績だ。
ここは他と違うサッカーで気になる。
夏場に強いスタイルじゃないかな?

横浜Fマリノス
−−−−坂田−−−−山瀬−−−−
−−−−−−−中村−−−−−−−
−−−兵藤−−小椋−−清水−−−
−金井−−中澤−−栗原−−天野−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−飯倉−−−−−−−

名古屋グランパス
−-玉田−−-ケネディ-−−金崎-−
−−−マギヌン−−−中村−−−−
−−−−−-ダニルソン-−−−−−
−阿部−-増川−闘莉王-−田中隼−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−楢崎−−−−−−−


11分、マリノスは素早いリスタート。
天野貴史が右サイドから少し後ろに下げる。
中村俊輔は左足で強烈ミドルシュート。
GK楢崎正剛がブロックして外。

17分、マリノスは小椋祥平がいい出足で相手の縦パスをカット。
小椋は左サイドに大きく展開する。
山瀬功治がエリア左まで抜け出してシュート。
GK楢崎正剛がブロックする。
坂田大輔はエリア右でこぼれ球に反応してシュート。
枠に届きそうだったけど増川隆洋がブロックした。

序盤はマリノスのペース。
相手の横パス、縦パスをいい体勢で奪えていた。
前を向いてインターセプトすればカウンターは迫力が出る。
小椋祥平が「切り換えの起点」になっていた。
彼のボール奪取力は周知だと思うけど、
奪ってからの精度が高いロングボールに驚いた。

23分、名古屋は増川隆洋、マギヌンと自陣から繋ぐ。
玉田圭司がハーフライン付近からドリブル。
一気に加速してゴールのすぐ左まで切れ込む。
切り返しで栗原勇蔵を振り切って右足シュート。
GK飯倉大樹がブロック&キープ。

34分、名古屋は中村直志が縦に当てる。
マギヌンが反転でマークを外して左に開く。
阿部翔平は左サイドからハイクロス。
ケネディが高い打点のヘッドで中澤佑二に競り勝つ。
決定的だったけど栗原勇蔵が「枠内クリア」で逃れた。

36分、名古屋は田中隼磨が右サイドから折り返す。
ケネディは足元で受けて栗原勇蔵が何とか跳ね返す。
清水範久がバックパスを後方に下げる。
ケネディは身体を入れてこれを奪取。
上手く反動をつけてゴールに正対すると右足一閃。
強烈なミドルがGK飯倉大樹の拳を弾いてゴールイン。
<名古屋グランパス 1−0 横浜Fマリノス>

37分、名古屋は玉田圭司が緩い横パス。
小椋祥平は奪おうと飛び込むけど寸前で交わされてしまう。
ダニルソンが縦に当てて自らも前線に走り込む。
マギヌンは左サイドのスペースにフィードを入れる。
ダニルソンが左足で折り返す。
金崎夢生はファーサイドに飛び込んでいたけど合わない。

38分、名古屋は阿部翔平が左サイドから折り返す。
ケネディがファーサイドでヘッドを競って後方に戻す。
金崎夢生のボレーシュートはDFがブロック。
マギヌンがゴール左でこぼれ球に反応してシュート。
決定的だったけど枠外。

39分、名古屋はダニルソンが小椋祥平に激しくプレスに行く。
中村直志がセカンドを拾って左に預ける。
ケネディは右サイドのスペースに絶妙スルーパス。
金崎夢生が縦に抜け出してシュートを放つ。
決定的だったけどGK飯倉大樹がブロック。

気づくと圧倒的な名古屋ペースである。
マリノスは「引きっぱなし」の状態。
相手の攻撃を受けるだけになってしまう。
ある意味で必然だろう。
マリノスのサッカーは消耗度が高い。
前線、中盤が流動的に動く。
人数、手数を掛けて崩す狙いである。
足が動けばボールも動く。魅力的なサッカーが可能だ。
ただ足が止まると何もできなくなる。
奪われた後の守備組織も整備されていない。
こう書くと辛辣だけど「夏場にコケるサッカー」の典型である。

名古屋は手堅いサッカーだ。
前後左右の位置取りを全く崩さない。
奪われても布陣、人数が揃っている。
ピッチに広く散らばってボールを足元、足元で動かす。
攻撃をきっちり受けて、じんわりと圧力を掛ける。
相手のミスをじっくり待っている…。

ただ36分の先制後は「2点目」を奪いに来ていましたね。
前線へ飛び出す枚数が1、2枚増えていた。
ダニルソンのフリーランニングは凄かったなぁ…。
マリノスのDFは後方からの攻め上がりに対応できていなかった。
名古屋が人数を掛けてくると攻撃の迫力は倍増。
本当はもっとできるけど自重しているんだと思った。

前半は名古屋の1点リードで折り返しとなる。

試合は後半。
45分、マリノスは山瀬功治→小野裕二。
小野はそのまま2トップに入る。

51分、名古屋は中村直志→ブルザノビッチ。
ブルゾもそのまま右MFの位置。
スタンドからは「外人何人いるの?」という疑問の声(笑)
ケネディがアジア枠で田中さんは日本人です。

62分、マリノスは小野裕二に警告。

67分、名古屋はブルザノビッチが右に開いて自らも飛び出す。
金崎夢生がドリブルで中に流れて左に開く。
玉田圭司はコントロールを乱して奪われる。
しかしマギヌンがセカンドボールを回収して右に開く。
ブルザノビッチは縦に当てる。
中澤佑二のクリアが小さい。
ダニルソンはエリア外でセカンドボールを回収。
低く強烈な左足ミドルがGK飯倉大樹の手を弾いてゴールイン。
<名古屋グランパス 2−0 横浜Fマリノス>

マリノスのDFは「波状攻撃さんいらっしゃい状態」だった。
7人がリトリートしてゴール前にブロックを作る。
それはいいんだけど選手の位置取りがまずかった。
お互いの距離が近すぎる。押し上げ、散らばりが遅い。
2回跳ね返して2回とも相手に奪い返された。
「セカンドを拾う位置」に誰もいないんですから。
あれならゴールライン方向に蹴り出した方が安全である。
名古屋の攻撃は最初4人だった。
でも横浜の「引きこもり」を見てどんどん加勢する。
マギヌン、田中隼磨と来て…。
最後は「7人目」のダニルソンが仕留めた。

69分、マリノスは兵藤慎剛→長谷川アーリアジャスール。
アーリアはそのまま左MFの位置に入る。

マリノスサポーターの「イライラ」が更に高まるラスト20分だった。
名古屋は全く無理をしない。
「4−1−4」でブロックを作って退陣する。
名古屋DFの狙いは序盤から明々白々だった。
マリノスを「外」に押し出すことだ。
名古屋は両CBが高い。
ロングボール、ハイクロスはむしろ歓迎だ。
一方でマリノスの前線は上背がない。
「裏」を取らないと勝機はない。
名古屋が自重するからカウンターは期待できない。
それなら素早くボールを動かすしかない。

しかし「内側」にスペースはない。
マリノスはそこで躊躇してしまうのである。
特に中村俊輔は迷いが露わだった。
持ち過ぎてテンポを落としてしまう。
複数に寄せられて奪われるシーンもあった。
私はアバウトでも縦、裏に蹴ればいいと思ったけどなぁ…。
例えば増川隆洋は足元の処理が不安定だ。
その「裏」を突けば一発は無理でも二次攻撃が期待できる。
速いテンポでしつこく繰り返せばミスも誘える。
でもマリノスは策も覇気もなかった…。

76分、名古屋は金崎夢生→小川佳純。
名古屋の布陣はこう↓
−-玉田-−−ケネディ−−-小川-−
−−−マギヌン−−-ブルゾ-−−−
−−−−−-ダニルソン-−−−−−
−阿部−-増川−闘莉王-−田中隼−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−楢崎−−−−−−−


78分、マリノスは坂田大輔→渡邉千真。
マリノスの布陣はこう↓
−−−−小野−−−−渡邉−−−−
−−−−−−−中村−−−−−−−
−−アーリア−小椋−−清水−−−
−金井−−中澤−−栗原−−天野−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−飯倉−−−−−−−


79分、マリノスは栗原勇蔵が右サイドにロングフィード。
天野貴史が縦に持ち上がってエリア右にフィードを入れる。
渡邉千真が上手く止めてシュート。枠外。

82分、マリノスは右CKを中村俊輔が左足で入れる。
渡邉千真はファーでヘッドを競る。
これはダニルソンがブロック。
マリノスはこぼれ球を回収して中村俊輔が再び折り返す。
小野裕二、アーリアが惜しい体勢だったけど打ち切れない。

残り5分でマリノスはパワープレー。
栗原勇蔵が前線に攻め上がる。
布陣はこう↓
−−栗原−−−小野−−−渡邉−−
−−−−中村−−−アーリア−−−
−金井−−−−清水−−−−天野−
−−−−小椋−−−−中澤−−−−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−飯倉−−−−−−−


87分、名古屋は玉田圭司→千代反田充。
相手のパワープレーに対応して守備を手厚くした。
布陣がこう↓
−−−ケネディ−−ブルゾ−−−−
−−-マギヌン−−−−-小川−−−
−阿部−−-ダニルソン-−田中隼−
−−−増川−-闘莉王−千代反田-−
−−−−−−−−−−−−−−−−
−−−−−−−楢崎−−−−−−−


89分、名古屋のダニルソン、マリノスの栗原勇蔵に警告。
ダニルソンが危険なタックル。栗原は報復だと思う。

ロスタイムの表示は4分。

90分、マリノスのFKはゴールほぼ正面。距離が27,8m。
中村俊輔が左足で直接狙って右隅に届く。
GK楢崎正剛はナイスブロック。
小野裕二が詰めたけどこれもブロック。

92分、名古屋は高木義成が退場。
主審、四審がベンチに寄って何かを言い渡している。
控えの高木が暴言を吐いたらしい。

試合はそのままタイムアップ。
マリノスがピクシーの「注文相撲」に応じて完敗。
強いてポジティブな部分を見つければ「課題が出た」ことかな?

マリノスのやりたいサッカーは分かる。
ただアクションサッカーをやる条件が揃ってない。
小椋祥平、清水範久が起点になっていた。
もしかすると「持たされて」いたのかもしれない。
あの2人に難しいパスを期待するのは無理だ。
人を上手く使える人材が状態の悪い俊輔しかいない。
前線でボールを受けられる、納められる選手もいない。
強いて言えば渡邉千真だけど不調の気配である。
となるとフリーランニングを重ねてパスコースを作るしかない。
夏場にそういうサッカーを目指すのは無謀だ。
秋まで我慢するようでしょうか?

名古屋は面白かった。
世間的に受けないと思うけど俺は嫌いじゃない。
個で上回るなら個を押し出せばいい。単純な理屈です。
エアコンもサッカーも省エネが一番だ(笑)
ダニルソンが日本にフィットしてきましたね。
「ポテンシャル」を絵に描いたような選手だ。
体が強くて驚異的に俊敏。出足が速くてリーチも長い。
届きそうもないボールに届いてしまう。
スプリント能力は驚異的で腰も強い。
今のJで最も「見るべき」選手かもしれません。

党首的採点
横浜Fマリノス

GK 21 飯倉大樹 5.5 届いて弾かれるのは何か理由があるのか?
DF 35 天野貴史 5.5 攻守のサポートをしっかり。悪くはない。
    4 栗原勇蔵 5.5 問題は彼が跳ね返したあと。
   22 中澤佑二 5.5 ケネディに空中戦でかなりやられた。
   24 金井貢史 5.0 競り合い、潰しと非力な感は否めない。
MF 30 小椋祥平 5.5 序盤は印象的だったけど後半に埋没。
   18 清水範久 4.5 ボールを持って生きる選手ではない。
    7 兵藤慎剛 5.0 「使われる持ち味」が出なかった。
→(69分)8 長谷川アーリア 5.0 攻撃の活性化は全く果たせず。
   25 中村俊輔 5.0 「イメージ」と「現実の自分」にズレがある。
FW 10 山瀬功治 5.0 夏にやませは縁起が悪い。
→(45分)40 小野裕二 5.5 ボールへの反応がコンマ何秒か早い。
   11 坂田大輔 5.0 前を向いて追い掛けて生きる選手だと思う。
→(78分)9 渡邉千真 採点なし。

名古屋グランパス
GK  1 楢崎正剛 6.5 彼にしては普通の出来でしょう。
DF 32 田中隼磨 6.0 夏場も走力に陰りなし。
    4 闘莉王 6.0 珍しく穏当。余裕を持って対応していた。
    5 増川隆洋 6.0 彼の強みしか出ない試合だった。
    6 阿部翔平 6.0 対面のスピードが無いから対応は楽だった。
MF 20 ダニルソン 7.0 初めてちゃんと見られた。スゲェや。
    7 中村直志 6.0 パスコース作ってセカンド拾って…。
→(51分)9 ブルザノビッチ 6.0 「異物感」がなくなってきた。
    8 マギヌン 6.5 よく動いて絡んだ。前線の潤滑油。
FW 25 金崎夢生 6.0 このサッカーに凄くフィットしてる。
→(76分)10 小川佳純 採点なし。
   11 玉田圭司 6.0 奪われないで仕掛けられる。
→(87分)3 千代反田充 採点なし。
   16 ケネディ 7.0 髪は長い方が見分けやすいんだけど(笑)

名古屋グランパス 2-0 横浜Fマリノス
日産スタジアム 29,964人


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