イタリアの指揮官たちが選出する「パンキーナ・ドーロ(年間最優秀監督賞)」に、カリアリのマッシミリアーノ・アッレグリ監督が選ばれた。セリエBの年間最優秀監督賞である「パンキーナ・ダルジェント」には、バーリを率いたアントニオ・コンテ監督が選ばれている。

舞台となったコヴェルチャーノは、イタリア代表の“ホーム”だ。そこで、イタリア代表のマルチェッロ・リッピ監督とイタリアサッカー連盟のジャンカルロ・アベーテ会長が顔を合わせた。両者はアッレグリ監督に賛辞を送るとともに、リッピ監督の今後について見解に開きがあることをうかがわせている。

アベーテ会長は南アフリカでのワールドカップ(W杯)へ出発する前に、代表監督を務める人物の名前が明らかになると強調している。

「リッピ監督とは良好な関係にある。そして私には、南アフリカへ向かう前に代表チームを率いる監督について明確にする任務があるんだ。我々はその仕事を全うし、明確なアイデアを持ってW杯へ向かう。大会だけに専念しなければいけないという自覚をした上でね」

だが、リッピ監督は「南アフリカが終わってから、私が(代表監督の座を)離れるとは言っていない。今はW杯のことだけを考えている」とコメントした。連盟とお別れということになるのだろうか? そう尋ねられた同監督は、「様子を見よう。まずは全力でW杯を戦い、その後のことは分からないさ。結果次第というところもあるだろうしね」と答えている。その上で、リッピ監督は「私とアベーテ会長の間ではすべてがはっきりされている。私の今後についてもだ。会長は私が尊敬する人物であり、彼とは常にすべてをはっきりさせて話している」とつけ加えた。

リッピ監督の去就については、様々なことが伝えられている。古巣ユヴェントスに復帰するのではないかというのもその一つだ。リッピ監督はこのことについて、「私とユヴェントスの間には城のような関係が築かれている。どうなっているか、ユーヴェが明らかにするかもしれない。私の頭にあるのは代表のことだけだ。自分に足りない4、5人の選手を見つけなければならず、私はそのために20人ほどの選手を追っている。そして5月になったら、ベストコンディションにある選手を選ぶよ」と話している。

また、リッピ監督はユヴェントスの現状について、「気迫を持って困難を乗り越えようとしている。(解任されたチーロ・)フェッラーラ? 君らメディアが興味を持つようなことは、彼には何も言っていない。(来季からの就任が噂されるリヴァプールのラファエル・)ベニテス? 私には関係のないことだ」とコメントした。

イタリアサッカー連盟は、ロベルト・ドナドーニ前監督の去就を保留した2008年EUROでの過ちを繰り返したくないと考えている。だが、リッピ監督は大会がどうなるかを見たいと望んでいるのだ。相容れない立場であり、今後問題になるかもしれない。