松井大輔が所属するグルノーブルが24日、リーグ・アン第10節でナンシーをホームに迎え、1―2で逆転負けを喫した。これで開幕以来の10連敗。

 レキップ紙が「今季のグルノーブル最高の試合」と評したように、序盤から優位に試合を進めたグルノーブル。53分には、中央の縦パスを受けてペナルティエリア手前に抜け出た松井がシュート、相手DFに当たったこぼれ球をリュボヤが押し込んで先制点をあげた。

 しかしその20分後、自陣ゴール前へのロングパスの処理をあせったDFジェマリが痛恨のオウンゴール。さらに試合終了直前にはDFセザールがペナルティエリア内で相手FWのユニフォームを引っ張って倒すファウル。ペナルティを決められて今シーズン初の勝ち点を瞬時にして失った。

 試合前からグルノーブルのホーム「スタッド・デ・ザルプ」には、サポーターが日本の経営陣(インデックス・ホールディング)に向けて、日本語で「恥を知れ」と書かれた横断幕を掲げるなど、緊迫した雰囲気が漂っていた。試合後は大きな混乱こそなかったものの、中継局カナル・プリュスのカメラの前で怒りをあらわにするサポーターの姿が目立った。

 ゼネラルディレクターの祖母井秀隆氏(元ジェフユナイテッド市原GM)がバズダレヴィッチ監督と話し合う姿もテレビカメラにとらえられたが、監督はつづく記者会見で辞任の意思を否定している。

 2試合連続のフル出場を果たした松井は、サッカー専門サイト“フットボール365”から「この試合のベストプレーヤー。テクニックで頭ひとつ抜け出し、チームを引っ張る努力を見せた」と高い評価を受けた。グルノーブルにとっては、松井の復活がこの試合で見えたわずかな光明といえる。次節のリール戦(31日)で何とか勝ち点を上げたいところだ。その後はモナコ、リヨン、ロリアンと、上位との厳しい対戦がつづく。